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【自然 脅威 本】自然の驚異に翻弄されながらもたくましく生きる人々

現代の私達は毎日食べるものに困ることもなく、贅沢さえ言わなければ生きていくことは、そう難しいことではありません。
でもその食べていくというこにさえ毎日、悩む日々を過ごした人が、そんなに遠くない過去に存在したのです。
そんな人々のたくましい生き様に触れることのできる本をご紹介します。

 

『天保の人びと』

天保の人びと (偕成社文庫)

著・かつおきんや
松吉の住む村では、今年は米のできがよくありません。春に長雨のあと、イナゴが大発生しました。このままでは、いつもの年の半分ぐらいの米しか収穫できません。でも、年貢はいつもと同じように納めなければならないのです。
松吉のおとうは、村のまとめ役です。お役人に、みたて(米のできぐあいを調査すること)にきてほしいと嘆願書を出しました。どんなにひどい凶作か、見てもらおうと思ったのです。天保9(1838)年に加賀藩(石川県)でおきた、農民一揆を物語にしたものです。
本書は、著者が金沢の中学校教師だった時期に資料を見つけ、何年もかけて作品化したものです。

 

『ノリー・ライアンの歌』

ノリー・ライアンの歌

著・パトリシア・ライリー・ギフ
19世紀、アイルランドの人びとの主食はジャガイモでしたが、伝染病がひろがり、畑でまっ黒に腐ってしまいました。当時のアイルランドはイギリスの支配下にあって、イギリス人の地主は、地代が払えない人から、残った穀物や家畜や家をとりたてます。
ノリーの家でもジャガイモが全滅し、出かせぎにいったとうさんからの連絡も、途絶えてしまいました。領主は、地代を納めるようにせまります。ノリーは、かしこい老女アンナのたすけをかりながら、なんとか生きぬこうとがんばります。
当時のアイルランドの人口800万人のうち、100万人が飢えと病気で亡くなり、300万人が新天地をもとめて移民となった。著者の8人の曽祖父母のうち6人が、このときアメリカに渡ったのだといいます。

 

『魔法の泉への道』

魔法の泉への道

著・リンダ・スー・パーク
アフリカ大陸北東部の国、スーダン。内戦でふるさとを追われた11歳の少年サルヴァは、家族とはなればなれになり、ひとりで必死に逃げていました。サルヴァは、長く苦しい難民生活を耐えぬき、アメリカに移住しました。
大人になったサルヴァは、スーダンの役に立ちたいと考え、井戸を掘るプロジェクトを立ち上げます。にごりのないきれいな水があれば、病気も減り、人びとのくらしは安定します。子どもたちは、水くみにいく仕事から解放され、学校に通うことだってできるはずです。
内戦が続くスーダンで、避難場所を求めてさ迷い歩く子どもたちは、「ロスト・ボーイズ」と呼ばれた。その中の実在の人物の体験を基にした物語。1980年代の少年と2000年代に生きる少女が、時間を越え「水」を仲立ちにめぐり合うまでを、2つの視点で描き出す感動の物語です。

 

これらの本から何か教訓的なものを読み取るのもいいし、そうじゃなくても人間っていざとなれば強い生き物なんだなということを感じてもらえてもいいかもしれません。
いま与えられている幸せに感謝しましょう。

 

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