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【小学生・中学生向け 科学本おすすめ10選】自然科学が好きになる本まとめ|読み物・実験・図鑑まで完全ガイド

「理科の授業はそれなりに好きだけれど、教科書だとちょっと味気ない」。そんな子どもに、本でじっくり自然科学の面白さを渡してあげたいと思うことはないだろうか。身の回りの水や空気、生きもの、宇宙のなぞまで、本を通して出会うと世界の見え方がすこしだけ変わる。

ここでは、小学生から中学生くらいまでをイメージしつつ、大人が読んでも「へえ」と唸ってしまう自然科学系の本を10冊選んだ。読み物タイプから図鑑、実験本までそろえたので、自由研究やプレゼント、親子の読み聞かせや共読にも使ってほしい。

 

 

この記事の読み方ガイド

10冊すべてを順番に読んでもいいし、気になるテーマからつまみ読みしてもいい。本のタイプごとにざっくり分けると、次のようなイメージだ。

「まずは読み物」「図鑑が好き」「実験したい」など、その子の性格や気分に合わせて選んでみてほしい。

自然科学の本を選ぶときのポイント

子ども向けの科学本を選ぶとき、大人がつい気にしてしまうのは「ちゃんと勉強になるかどうか」だと思う。ただ、最初の入口でいちばん大切なのは、正確さと同じくらい「おもしろさ」や「読みやすさ」だ。

今回選んだ10冊は、どれも専門家がしっかり関わっていて内容はきちんとしているが、それ以上に「ページをめくる手が止まらない」ものばかりだ。難しい式や記号よりも、「あれってなんで?」という素朴な疑問から入っていける本を中心にしている。

親が先に読んでみて、「自分も少しワクワクしたかどうか」で選ぶのもおすすめだ。大人の心がちょっと動く本は、たいてい子どもの心もちゃんと動かしてくれる。


1. ガリレオ工房の水のひみつ―変化するすがた(さ・え・ら書房)

コップの水、雨、雪、湯気。毎日のように目にしているのに、いざ「水って何?」と聞かれると、少し言葉に詰まってしまう。この本は、そんな身近すぎる存在である水を、写真と文章でじわじわと解きほぐしていく一冊だ。

特徴的なのは、写真と物語が半分ずつ、というつくり。単なる「写真の説明」ではなく、写真が導くストーリーに沿って、水が液体・固体・気体と姿を変えていく様子や、その背景にある科学の考え方が描かれていく。眺めているだけでも楽しいが、読み進めるうちに「そうか、あの現象も同じ水の性質なんだ」と頭の中でつながってくる感覚がある。

理屈を一気に理解しようとするのではなく、「へえ」「そうなんだ」と小さな発見を重ねるように読み進められるので、理科がちょっと苦手気味な子にも手渡しやすい。中学受験を目指す子どもにとっても、「暗記ではなくイメージで理解する」感覚を育ててくれる本だと感じる。

大人が読んでも、忙しさのなかでどこか置き忘れてしまった「考えるのって楽しい」という感覚を思い出させてくれる。親子でページを開きながら、台所やお風呂場で「この水も同じなんだね」と話したくなる本だ。


2. 空気は踊る (ワンダー・ラボラトリ)(太郎次郎社エディタス)

空気は「あるのに見えない」やっかいな存在だ。風が吹けば感じるし、息が苦しくなればそのありがたみも実感するのに、目には見えないから、つい意識の外に追いやってしまう。この本は、そんな空気を主役にした、ちょっと不思議で楽しい科学読み物だ。

ジャムのふたが固い理由、吸盤フックが落ちない仕組み、掃除機がゴミを吸い込む理屈。日常のあちこちで「空気の力」が働いていることを、実験や写真を通して体感させてくれる。真空をつくるとどうなるか、といった話も出てきて、子どもの好奇心をぐっとつかんで離さない。

巻末には、教科書のどの単元とつながっているかを示す付録もあり、「これ、授業でやったあの部分だ」と対応づけながら読める。親が子どもの宿題をみるときにも役に立つ構成だ。

文章は平易で、写真やイラストも多いので、小学校中学年ごろから自力で読めるだろう。理科好きな子なら低学年でも読み聞かせで楽しめる。空気の存在に気づいた瞬間、世界の景色が少し違って見えてくるという体験を、親子で共有してほしい一冊だ。


3. カラスの教科書 (講談社文庫)

ゴミをあさる、鳴き声がうるさい、人を襲うかもしれない。そんな悪役イメージがつきまといがちなカラスだが、この本を読むと、彼らに対する見方ががらりと変わる。著者は筋金入りのカラス研究者で、「カラスは本当におもしろい鳥なのだ」と全力で語りかけてくる。

カラスの行動パターン、家族関係、街での暮らし方、人間との距離感。観察に基づいたエピソードがユーモアたっぷりに紹介されていて、理科の本というより、上質なエッセイを読んでいるような読み心地だ。ときどき挿まれるイラストも味があって、ページをめくる手が止まらない。

科学的というのは、先入観をいったん脇に置いて対象と向き合うことでもある。著者の視線はまさにそれで、「嫌われ者のカラス」を、カラスとしてきちんと見るところから話が始まる。その姿勢自体が、子どもにとっての「科学への入り口」になってくれるはずだ。

文庫なので対象年齢はやや高めだが、中学生なら十分楽しめるし、小学生でも理科好き・生きもの好きなら読み切れる。大人が先に読んでから、気に入った章だけを抜き出して読み聞かせるのもいい。読み終えたあと、道端でカラスに出会ったとき、きっと少し立ち止まってしまう。


4. おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典(高橋書店)

シリーズ累計で大ヒットした「ざんねんないきもの」シリーズの1冊目。進化の結果として、とても器用になったりすごい能力を手に入れたりした生きものもいれば、「え、それで生きていけるの?」と思うような、ちょっと不便な特徴をもった生きものもいる。この本は、そんな「どこかざんねん」な部分に光を当てたユニークな図鑑だ。

1つ1つの生きものが見開きで紹介されていて、イラストも文章もとにかく軽快。笑いながら読み進めているうちに、進化とは「完璧を目指すプロセス」ではなく、「その時その場所でなんとか生き残ってきた結果」なのだという感覚がすっと入ってくる。

監修は動物学者で、内容のベースはしっかりしている。子どもの「なんで?」に答えながら、進化や生態についての基本的なイメージを自然と身につけていける構成だ。生きもの図鑑は難しそう、という子にも、漫画やバラエティ番組を見るような感覚で手渡せる。

パラパラとどこからでも読めるので、寝る前の数分や、移動時間のちょっとしたスキマ読書にも向いている。親子で「今日の一匹」を決めて読みあうと、会話のネタにもなって楽しい。


5. わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑(ダイヤモンド社)

「やさしすぎて絶滅」「アゴが重すぎて絶滅」「隕石が落ちて絶滅」……。ちょっと笑ってしまうような見出しが並ぶが、紹介されているのはどれも実在した生きものたちだ。彼らに「わけあって絶滅しました」と語らせながら、その理由や背景を解き明かしていく。

本書に出てくる生きものは、恐竜のような有名どころだけではない。姿かたちも名前も、初めて聞くようなマイナーな種も多く、それだけでちょっとした「発掘」の気分が味わえる。イラストも親しみやすく、難しい内容をやわらかく包み込んでくれる。

ただし、笑いだけで終わらないのがこの本のいいところだ。「絶滅」の理由は、ちょっとした油断や不器用さだけではなく、環境の急激な変化や、人間の活動による影響などにも及んでいく。ページを追ううちに、「いま生きている生きものが、これからどうなっていくのか」という視点も自然に湧いてくる。

環境問題や生物多様性の話題に入る前段階としても、とても良い入口になる一冊だ。図鑑が好きな子、恐竜や古生物に興味を持ち始めた子に、楽しみながら「絶滅」という重いテーマに触れてもらえる。


6. 宇宙のふしぎ366 ― 1日1ページで小学生から頭がよくなる!(きずな出版)

夜空を見上げて「星っていくつあるの?」「宇宙はどこまで続いているの?」と聞かれて、返事に困ったことがある人には、この本が心強い味方になる。宇宙や地球にまつわる366の「なぜ?」を、1日1ページのペースで読み進められる構成になっている。

天動説とは何か、銀河の形、月の生まれ方、温室効果ガスのしくみ、宇宙の終わりの姿まで。大人でも「ちゃんと説明しろと言われたら怪しい」テーマを、Q&A形式でわかりやすく解説してくれる。イラストと図が多く、ふりがなもついているので、小学校3年生ごろから自力で楽しめるだろう。

著者の左巻健男さんは理科教育のベテランで、教科書づくりや理科雑誌の編集にも携わってきた人物だ。その経験ゆえか、説明の順番がとても丁寧で、「なんとなく知っていたこと」が、読み終わると筋の通った理解に変わっている感覚がある。

365+1日分のトピックがあるので、文字どおり1年かけて少しずつ読むのもいいし、興味のあるページだけ拾い読みしてもいい。寝る前の10分を「宇宙タイム」にする読み方は、習慣としても心地よい。


7. 小学館の図鑑NEO〔新版〕 宇宙 DVDつき(小学館)

宇宙に本格的にはまりそうな子には、1冊しっかりした図鑑を用意しておくと心強い。その代表格のひとつが、この「図鑑NEO 宇宙」だ。太陽系の惑星から銀河、ブラックホール、宇宙開発まで、広大な宇宙を鮮やかな写真とイラストで案内してくれる。

新版では最新の観測データも反映されていて、単なる「星のカタログ」ではなく、「宇宙をどうやって調べてきたか」というストーリーも伝わるつくりになっている。天文学者や宇宙飛行士など、人の営みの側面が紹介されているのも良い。

特典DVDではドラえもんとのび太が宇宙を旅する映像が収録されていて、本を読む前後に観ると、内容がより立体的に感じられる。活字が得意でない子でも、映像と組み合わせることでぐっと入りやすくなるはずだ。

大型本なので机やリビングに広げて、親子であれこれ指さしながら眺めるのが楽しい。自由研究のテーマ探しにも役立ちそうだし、「星座図鑑」と並べて置いておけば、夜のベランダ観察もより濃い時間になる。


8. ビジュアル理科事典(学研プラス)

生物、宇宙、地球、化学、物理。理科の主要5分野を一冊でざっと見渡したいときに頼りになるのが、この「ビジュアル理科事典」だ。ふりがな付きで、小学生から大人まで楽しめるようにつくられている。

どのページを開いても、まず目に飛び込んでくるのは迫力のある写真やイラスト。その横にコンパクトな解説がついていて、気になるところを拾い読みしていくだけでも、自然と知識が積み重なっていく。教科書ではさらっとしか触れないトピックも多く、「理科ってこんなに広いんだ」と感じさせてくれる。

分厚い本なので、最初から最後まで読もうとする必要はまったくない。たとえば、理科の授業で「天気」の単元を学んでいるときに地球のページを開いてみる、動物園に行ったあとで生物のページを眺めてみる、というように、その時々の関心に合わせてアクセスできる。

理科が得意な子にとっては、より深く学ぶための入り口に。少し苦手な子にとっては、「写真と図だけでも楽しい」ビジュアルブックとして。家のどこかに一冊置いておくと、ふとした瞬間にページが開かれているタイプの本だ。


9. [新版]科学の実験 DVDつき: あそび・工作・手品 (小学館の図鑑NEO)(小学館)

本を読むだけでなく、「自分の手で試してみたい」というタイプの子には、この実験図鑑がぴったりだ。あそび・工作・手品という言葉が並んでいるように、内容はかなり楽しい。「巨大空気砲」や「ソーラークッカー」など、インパクトのある実験も多い。

どの実験も、身近な道具でできるように工夫されていて、写真やイラストも豊富。手順を追いかけていくだけで、「結果がどうなるか」「なぜそうなるのか」を自然と考えるようになっている。付属のDVDには、実験の様子が映像で収録されており、動きがある分、イメージがつかみやすい。

安全面の注意もきちんと書かれているので、親が一緒に読みながら「ここは必ず大人とやろうね」と確認しておくと安心だ。長期休みの自由研究のネタ帳としても心強い。

実験がうまくいったときの「できた!」という喜びは、教科書を読むだけでは得られない。理科嫌いを克服するきっかけとしても、この一冊は強い味方になってくれると思う。


10. おうちでSTEAM教育 「なぜ?」「どうして?」がよくわかる わくわく科学実験図鑑(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

こちらも実験本だが、キーワードになっているのは「STEAM」。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Math)の5つの分野を、身近な実験を通して横断的に学んでいこうという発想の一冊だ。

紹介されている実験は100以上。どれもおうちにある材料でできるものばかりで、「やってみようかな」と思ったときにすぐに取りかかれる。各実験の前には「どうなると思う?」という問いかけがあり、終わったあとには「なぜそうなったのか」を考えるヒントが書かれている。

つまり、「結果を見ておしまい」ではなく、仮説を立てて検証し、自分の言葉で説明してみるという、科学の基本的な姿勢を自然と練習できる本になっている。自由研究のテーマ決めにも向いているし、学年をまたいで長く使える。

親にとってうれしいのは、「完璧に説明できなくてもいい」と思わせてくれる構成だ。すべてを教え込むのではなく、一緒に「なんでだろうね」と考える時間をつくる。そのための小さな仕掛けが、ページのあちこちに散りばめられている。


よくある質問(FAQ)

Q. 小学低学年でも読める本はどれ?

低学年から自力読みを狙うなら、『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』や『わけあって絶滅しました。』あたりが入りやすい。イラストが多く、見出しだけでも楽しめるつくりになっているからだ。『ガリレオ工房の水のひみつ』や『空気は踊る』は、低学年なら読み聞かせから、中学年以降なら自分で読み進めるイメージで考えるといい。

Q. 理科が苦手な子には、どれから渡すのがいい?

「勉強っぽさ」を出したくないなら、まずは4〜5冊目の生きもの系や、『カラスの教科書』のようなエッセイ寄りの本から始めるのがおすすめだ。そこで「おもしろい」と感じてから、少しずつ宇宙や実験の本へ広げていくと、拒否感が出にくい。いきなり図鑑や事典だけを手渡すより、「読むと笑える」「友だちに話したくなる」タイプの本を入口にした方が、理科そのものへの印象が柔らかくなる。

Q. 図鑑NEOやビジュアル事典系は、家に何冊も必要?

すべてをそろえる必要はまったくない。家庭に1〜2冊、「このテーマならこの図鑑を開けばだいたい載っている」という本があれば十分だ。宇宙なら『図鑑NEO 宇宙』、全体を見渡したいなら『ビジュアル理科事典』、というふうに役割を分けておくと使いやすい。図鑑は「コレクション」より「よく開かれているか」が大事なので、まずはよく使うテーマから優先して選ぶといい。

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