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【小学生・中学生向け科学本おすすめ】自然科学が好きになる読み物・図鑑10選

科学の本を選ぶときに迷うのは、「勉強になるか」よりも先に「子どもが自分から開きたくなるか」だ。この記事では、小学生・中学生が自然科学に入りやすい本を、読み物・図鑑・実験の3つの入口から選んだ。

生きものの不思議、宇宙の広がり、水や空気の手触り。ページをめくったあと、通学路のカラスや台所のコップまで少し違って見えてくる本を並べている。

 

 

読む目的別の入り口

最初から10冊を順番に読む必要はない。今の関心に近い本から入ったほうが、自然科学はぐっと近くなる。

子ども向け科学本は、読み物・図鑑・実験で選ぶと失敗しにくい

子どもに科学の本を渡すとき、大人はつい「理科の成績に役立つか」「自由研究に使えるか」と考えてしまう。もちろん、それも大事だ。ただ、科学に長く親しむ入口としては、もう少し手前にある感覚を見逃さないほうがいい。

それは、「なんでだろう」と思う前に、まず「変だな」「おもしろいな」と感じることだ。

たとえば、カラスが道端で何を考えているのか。絶滅した生きものは、なぜ消えてしまったのか。水はなぜ氷になり、湯気になり、また雨として戻ってくるのか。子どもが本を閉じたあと、目の前の世界に小さな疑問を持ち帰れるなら、その本は十分に科学の本として働いている。

今回の10冊は、読み物、図鑑、実験本を分けて考えた。読み物は、物語やエッセイのように入れる本。図鑑は、好きなページから開いて眺められる本。実験本は、読んだあとに手が動く本だ。どれが上ということではない。子どもの今の状態によって、合う入口が変わる。

理科が苦手なら、いきなり分厚い図鑑を渡すより、笑える生きもの本から入るほうがいい。すでに宇宙や恐竜に夢中なら、図鑑で視界を広げたほうが伸びる。家で「これやってみたい」と言い出すタイプなら、実験本をリビングに置くだけで、休日の空気が変わる。

科学本は、正解を覚えるためだけの本ではない。見慣れたものを、少しだけ別の角度から見る練習でもある。湯気の白さ、風船のふくらみ、鳥の足音、夜空の星。そういうものに立ち止まれる子は、理科の単元名を忘れても、科学する感覚を残していく。

まずは楽しく読める、生きものと観察の本

1. おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典(高橋書店)

理科に少し距離がある子に、最初から「進化とは何か」を説明しても、なかなか届かない。けれど、「サイの角はただの毛が固まったもの」「ダチョウは脳みそより目玉が大きい」といった話なら、思わずページをのぞき込む。『ざんねんないきもの事典』の強さは、その入口の軽さにある。

この本は、生きものの不完全さや不器用さを笑いながら読む本に見える。実際、見出しは楽しいし、イラストも親しみやすい。けれど読み進めると、「ざんねん」と見える特徴にも、それぞれ生き残りの事情があることがわかってくる。

進化は、いつも完璧な形へ向かうわけではない。その時代、その環境、その体のつくりの中で、なんとか折り合いをつけた結果として今の姿がある。この本は、その感覚を子どもにかなり自然に渡してくれる。

難しい用語から入らないのもいい。進化、適応、生態、捕食、繁殖といった概念は、理科の言葉として覚える前に、まず「そういうことが起きているんだ」と体でつかむほうが強い。笑ったあとに、少しだけ考える。その順番が、科学に苦手意識のある子にはちょうどいい。

本を読む習慣がまだ薄い子でも、見開き単位で読める。寝る前に一項目、朝の支度の合間に一項目、という読み方でも成立する。まとまった読書時間が取れない家庭でも使いやすい。

親子で読むなら、「どの生きものがいちばんざんねんだった?」と聞くだけで会話が始まる。そこで大人がすぐに説明を重ねなくてもいい。子どもが笑って、少し驚いて、翌日だれかに話したくなる。その時点で、科学の芽はもう動き出している。

生きもの好きの子にはもちろん合うが、むしろ「理科は覚えることが多くて面倒」と感じている状態の子に効く。科学は試験範囲ではなく、変なことに気づく遊びでもある。そういう入口を作ってくれる一冊だ。

2. わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑(ダイヤモンド社)

「絶滅」という言葉には、少し暗い響きがある。もう会えない。もう戻らない。そう聞くと、子ども向けの本としては重く感じるかもしれない。けれど『わけあって絶滅しました。』は、その重さをいきなり背負わせず、まず「え、そんな理由で?」という驚きから入っていく。

この本では、絶滅した生きものたちが、自分の事情を語るように登場する。大きすぎた、遅すぎた、優しすぎた、環境に合わなくなった。見出しはユーモラスだが、読んでいくと、絶滅が単なる失敗ではなく、環境との関係の中で起きる出来事だとわかってくる。

ここが『ざんねんないきもの事典』と並べて読みたい理由だ。前者が「今いる生きものの不思議」を見せる本だとすれば、こちらは「いなくなった生きものから環境を考える」本になる。生きものは強いから残る、弱いから消える、という単純な話ではない。世界の変化と体のつくりが、ほんの少しずつ噛み合わなくなる。その怖さと面白さが、子どもにも伝わる。

古生物や恐竜に興味がある子なら、かなり入りやすい。恐竜だけでなく、名前も姿も知らなかった生きものが次々出てくるので、ページをめくるたびに小さな発掘をしているような気分になる。図鑑を読む集中力がまだ育っていない子でも、短い項目の連続なので読みやすい。

一方で、この本は笑いだけで閉じないほうがいい。読み終えたあとに、「今いる生きものも、ずっといるとは限らない」という感覚が残る。環境問題や生物多様性をいきなり大きな言葉で語るより、絶滅した一匹の事情から入るほうが、子どもには届きやすいことがある。

夏休みの自由研究で、恐竜や絶滅動物を調べたいときにも使いやすい。好きな生きものを一つ選び、なぜ絶滅したのか、どんな環境にいたのかを調べるだけで、立派なテーマになる。

気持ちが沈んでいる時より、少し元気で、知らない世界をのぞきたい時に向く。読後には、動物園や博物館の展示が少し違って見えてくる。そこにいる生きものも、標本になった生きものも、同じ長い時間の流れの中にいるのだと感じられる。

3. カラスの教科書(講談社文庫)

身近な自然観察に進みたいなら、『カラスの教科書』はかなりよい一冊だ。図鑑のように遠い動物を眺めるのではなく、通学路にも公園にも電線にもいるカラスを、研究の目で見直していく本である。

カラスは、嫌われやすい。ゴミを荒らす、声が大きい、なんとなく怖い。子どもだけでなく、大人もそういう印象を持ちやすい。けれどこの本を読むと、その印象が一度ほどける。カラスが何を食べ、どのように移動し、どんなふうに人間の街を使っているのか。ひとつひとつの行動に理由があることが見えてくる。

文章はユーモアがあり、研究者の語り口も軽やかだ。ただ、軽いだけではない。観察とは何か、先入観を外して見るとはどういうことかが、全体を通して伝わってくる。科学は実験室だけで行われるものではない。道端で立ち止まり、同じ対象を何度も見ることから始まる科学もある。

小学生には少し文章量が多いかもしれない。中学生なら十分読めるし、小学生でも生きもの好きなら気に入った章から読める。親が先に読んで、面白い部分を話してあげるのもいい。「カラスって人の顔を覚えるの?」という話題だけでも、子どもの目は変わる。

この本が刺さるのは、自由研究で何を調べればいいかわからない時だ。遠くへ行かなくても、特別な道具がなくても、観察はできる。近所のカラスの行動を記録するだけで、立派な問いになる。

読後に残るのは、カラスが好きになるというより、カラスを雑に見なくなる感覚だ。黒い鳥が電柱に止まっているだけで、「何をしているんだろう」と思える。こういう視線の変化は、自然科学のかなり大事な部分だ。

宇宙と理科全体を見渡す図鑑・事典

4. 宇宙のふしぎ366(きずな出版)

宇宙の本は、子どもにとって入口が広い。星、月、惑星、ブラックホール、宇宙人、ロケット。どこからでも興味を持てる反面、いきなり本格的な図鑑を渡すと、情報量の多さに圧倒されることもある。『宇宙のふしぎ366』は、その間に置きやすい本だ。

1日1ページという形式は、宇宙のように大きなテーマと相性がいい。一度に全部を理解する必要がない。今日は月、明日は星座、次は銀河というように、少しずつ広がっていく。寝る前に一ページだけ読む、朝の支度のあとに一つだけ疑問を読む、という習慣にも向いている。

宇宙の話は、子どもからの質問に大人が詰まりやすい分野でもある。「宇宙の外には何があるの?」「地球はどうして回っているの?」「ブラックホールに落ちたらどうなるの?」。こうした問いに、完璧に答えようとすると苦しくなる。でも本が一冊あると、「一緒に見てみよう」と言える。

この本のよさは、知識を一気に詰め込むのではなく、疑問の形で宇宙へ近づけるところにある。子どもは、説明から入るより、問いから入ったほうが続きやすい。わからないことがあるから読む。その順番が保たれている。

図鑑ほど重くないので、宇宙に興味を持ち始めたばかりの子にも合う。すでに星やロケットが好きな子なら、気になるページを飛びながら読める。中学生が読んでも、知っているつもりの言葉を整理し直すのに役立つ。

この本は、夜空を見たあとに開くと気持ちが入る。暗い窓の外に小さな光が見える。そこからページの中の銀河や惑星へ進む。大げさな感動ではなく、日常のすぐ外側に大きな世界があることを思い出させてくれる。

5. 小学館の図鑑NEO 宇宙 新版 DVDつき(小学館)

宇宙への興味が一時的なブームで終わらず、少し深くなってきたら、図鑑を一冊置いておくといい。『小学館の図鑑NEO 宇宙 新版 DVDつき』は、星や惑星を眺めるだけでなく、宇宙を「調べる場所」として使える本だ。

図鑑のよさは、順番に読まなくてもいいところにある。火星が気になれば火星のページへ行けばいい。ブラックホールという言葉を聞いたら、そのページを開けばいい。学校で月の満ち欠けを習ったあとに、該当ページを見直すこともできる。子どもの関心が突然動いたときに、受け止める棚として働く。

写真や図版の力も大きい。宇宙は、あまりにも遠く、直接触れられない。だからこそ、鮮やかな画像や模式図があると、想像の足場ができる。文字だけではつかみにくい距離や大きさも、図鑑の見開きで見ると少し身体に近づく。

DVDが付いている点も、活字が得意でない子には助けになる。映像から入って、あとで本を開く。あるいは本で見たものを映像で確認する。入口を一つに絞らないほうが、宇宙のようなテーマは続きやすい。

この本は、最初の一冊としても使えるが、どちらかというと「宇宙に何度も戻ってくるための本」だ。読み切る本ではなく、置いておく本。リビングや本棚にあって、気になった時に開かれる本である。

自由研究にも向いている。太陽系の惑星を比べる、月の観察と合わせる、宇宙探査機を調べる。テーマが広い分、子どもの関心に合わせて深さを調整しやすい。

宇宙が好きな子の目は、ときどき遠くへ行く。教室や家の中にいながら、何億キロも先を想像している。この図鑑は、その遠さを雑に縮めず、でも手元で開ける形にしてくれる。

6. 新版 科学の実験 DVDつき(小学館)

読むだけで終わらない科学本を探しているなら、『新版 科学の実験 DVDつき』は強い。理科の本を眺めるより、まず何かを作りたい、試したい、失敗してもう一度やりたい。そういう子に向いている。

あそび、工作、手品という言葉が入っているように、実験の入口はかなり楽しい。空気砲、静電気、光、音、熱、水。学校の理科で扱う内容につながりながらも、家庭では「遊び」に見える形で始められる。ここが大事だ。子どもは、勉強として渡されると身構えることがある。でも「これ、やってみない?」なら動き出す。

写真やイラストで手順が示されているので、実験の流れを追いやすい。映像があることで、完成形や動きも想像しやすい。特に低学年から中学年の子には、文字だけの手順よりも、映像と写真があるほうが安心だ。

実験本で気をつけたいのは、子どもだけに丸投げしないことだ。うまくいかなかった時、そこで興味がしぼんでしまうことがある。大人が少しそばにいて、「なぜ失敗したんだろう」と一緒に考えると、失敗も科学になる。

この本は、自由研究のネタ帳としても使いやすい。実験を一つ選び、予想を書き、やってみて、結果を記録し、うまくいかなかった理由まで考える。そこまでできれば、単なる工作ではなく、考える活動になる。

理科が苦手な子には、「説明を読む前にやってみる」順番が合うことがある。先に手が動き、あとから理由を知る。煙や音や水の動きに驚いたあとなら、少し難しい説明も入りやすい。

休日の午後、テーブルの上に新聞紙を広げて、少し散らかりながら試す。その時間ごと記憶に残る本だ。科学を、紙の上だけでなく、手のひらの感覚として残してくれる。

7. ビジュアル理科事典(学研プラス)

宇宙、生きもの、地球、物質、エネルギー。理科の世界は広すぎて、子どもにはどこまでが同じ教科なのか見えにくいことがある。『ビジュアル理科事典』は、その広さを一冊で眺めるための本だ。

この本は、最初から最後まで読み通す本ではない。むしろ、気になるページを開き、写真や図を見て、少し説明を読む。そうやって何度も戻ってくる使い方に向いている。図鑑ほど一つのテーマに深く潜るのではなく、理科全体の地図を持つ感覚に近い。

学校の授業では、単元ごとに理科が分かれている。今日は植物、次は天気、その次は電気。子どもにとっては、別々の箱に見えやすい。でも本当は、雲の動きも、水の変化も、植物の成長も、物質やエネルギーや環境のつながりの中にある。この事典は、そのつながりをざっくり感じさせてくれる。

写真が多いので、文字を読む前に目が入る。これはかなり大事だ。理科が苦手な子は、説明文の長さに負けることがある。けれど、写真からなら入れる。結晶の形、昆虫の体、地層の断面、実験器具の様子。見た瞬間に「何これ」と思えるページがある。

中学生にも役立つ。試験前の確認というより、学んだ単元がどこにつながるのかを見直す本として使える。理科を暗記科目にしてしまっている時、この本を開くと、知識が少し立体的になる。

家庭では、調べもの用として一冊置いておくといい。子どもが突然「雲ってどうできるの?」と聞いてきた時、検索する前に本を開く。紙のページを一緒に見る時間は、画面で答えだけ拾うのとは違う残り方をする。

科学に強い子をさらに伸ばす本であり、苦手な子の逃げ道にもなる本だ。難しい説明に疲れた時、写真だけ眺めてもいい。そういうゆるい付き合い方ができるところに、この本の価値がある。

身近な水・空気から科学を体感する本

8. ガリレオ工房の水のひみつ(さ・え・ら書房)

水は、あまりにも身近すぎて、科学の対象として見えにくい。蛇口をひねれば出る。雨の日には空から降る。お風呂では湯気になり、冷凍庫では氷になる。毎日見ているのに、なぜ姿を変えるのかを説明しようとすると、意外と言葉が止まる。

『ガリレオ工房の水のひみつ』は、その身近さを入口にする本だ。水の変化を、写真ややさしい説明でたどりながら、液体・固体・気体という理科の基本へつないでいく。教科書で先に用語を覚えるより、台所やお風呂場で見たものから入れるのがいい。

この本の魅力は、科学が家の中に戻ってくるところにある。湯気を見る。コップの外側についた水滴を見る。氷が溶ける様子を見る。そうした小さな現象が、ページの内容と結びつく。読んだあと、子どもが身の回りを少し観察し始めるなら、この本はかなりよく働いている。

派手な実験本ではない。宇宙や恐竜のような大きな驚きもない。けれど、自然科学の土台になる感覚を育てるには、こういう本が強い。目の前にあるものをよく見る。変化に気づく。なぜそうなるのかを考える。科学の姿勢は、そこから始まる。

低学年なら読み聞かせでもいい。中学年以降なら、一人で読んでから、実際に水の変化を探してみると楽しい。冷たい飲み物のコップ、洗面所の鏡、鍋のふた。読書と生活がすぐにつながる。

理科が得意な子には少しやさしく見えるかもしれないが、基礎を感覚でつかむ本としては侮れない。中学で状態変化を学ぶ時にも、こういう具体的なイメージがあると理解がずっと楽になる。

「勉強するぞ」と構えた日より、家の中で何かを一緒に眺めたい日に向く。雨音のする午後、窓ガラスについた水滴を見ながら読むと、本の内容がすっと近づいてくる。

9. 空気は踊る(太郎次郎社エディタス)

水よりさらに見えにくいのが空気だ。たしかにそこにあるのに、普段は意識されない。風が吹いた時、風船がふくらむ時、ドアが重く閉まる時にだけ、その存在が少し顔を出す。『空気は踊る』は、その見えないものを見ようとする本だ。

空気の科学は、子どもにとって少しつかみにくい。重さがあると言われても、目に見えない。押していると言われても、手で触れにくい。だからこそ、身近な現象から入る必要がある。この本は、吸盤、掃除機、ジャムのふた、真空といった例を通して、空気が確かに働いていることを体感させてくれる。

タイトルの「踊る」という言葉もいい。空気をただの透明な空間としてではなく、動き、押し、流れ、ふるまうものとして見る。そう考えると、部屋の中や台所や外の風景が少しにぎやかになる。

実験や写真を通して理解できるので、抽象的な説明だけで終わらない。理科で気圧や真空の話に入る前に、こうした本を読んでおくと、言葉が現象に結びつきやすい。中学生にとっても、物理分野の苦手意識をほどく助けになる。

『水のひみつ』と並べると、身近な物理・化学への入口がかなり整う。水は見える変化、空気は見えない働き。どちらも家の中で出会える。自然科学は、特別な研究所だけでなく、食卓や洗面所やベランダにもあるのだとわかる。

この本が刺さるのは、「目に見えないものはよくわからない」と感じている時だ。空気の力を知ると、見えないものにも確かな働きがあるとわかる。これは科学だけでなく、世界を見る態度にも関わってくる。

読み終えたあと、子どもが吸盤を押したり、袋をふくらませたり、ふたを開ける音に反応したりするかもしれない。その寄り道こそ、この本の読後として正しい。空気は説明されるだけでなく、遊びながら感じるものでもある。

10. おうちでSTEAM教育 「なぜ?」「どうして?」がよくわかる わくわく科学実験図鑑(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

最後に置きたいのは、家庭で科学を続けるための実験本だ。『おうちでSTEAM教育 わくわく科学実験図鑑』は、科学を一つの教科として閉じず、技術、工学、アート、数学の感覚まで広げていく本である。

STEAMという言葉は少し大きく聞こえるが、家庭でやることは案外シンプルだ。身近な材料を使う。作ってみる。予想する。失敗する。少し変えて、もう一度試す。その繰り返しの中に、科学だけでなく、ものづくりや表現の感覚が入ってくる。

この本は、「正しい結果を出す」ことだけを目的にしないのがいい。実験の前に考え、途中で観察し、終わったあとに理由を考える。結果だけ見て終わるのではなく、自分の言葉で説明する方向へ促してくれる。

自由研究にも向いているが、それ以上に、休日や長期休みに少しずつ使える本だ。まとまった準備をしなくても、家にあるものから始められる実験が多い。材料を買いそろえる前に疲れてしまうタイプの家庭でも、取りかかりやすい。

親にとっても気が楽な本だ。科学を完璧に教えなければいけない、と思うとしんどい。でも、一緒に驚き、一緒に考えればいい。子どもが「なぜ?」と聞いた時に、すぐ答えを出すのではなく、「どうしてだと思う?」と返す。その会話を作る本でもある。

『新版 科学の実験 DVDつき』が実験の定番図鑑だとすれば、こちらは家庭の中で実験を生活に混ぜ込む本だ。机の上で終わらず、工作や遊びの時間にもつながっていく。

後半の一冊として置く意味はそこにある。最初に読む本というより、科学が少し楽しくなってきたあと、「じゃあ自分でもやってみよう」と進む本だ。読書を、手の動きへ変えてくれる。

関連グッズ・サービス

本を読んだ後の学びを生活に根づかせるには、読み方や試し方を少し変えるだけでも続きやすくなる。紙の図鑑、音声、実験道具を組み合わせると、子どもの関心が一度で終わりにくい。

電子書籍の読み放題サービス

科学読み物や学習まんがを少しずつ試したい家庭には、読み放題サービスが合うことがある。子どもの関心は急に変わるので、「恐竜」「宇宙」「実験」とその時々で広げやすい。

Kindle Unlimited

耳で楽しむ読書サービス

活字を読む気力がない日でも、科学や自然の話を耳から入れると、興味が戻ることがある。移動中や寝る前に、親子で同じ話題を聞けるのも使いやすい。

Audible

自由研究用の実験ノート

実験本と一緒に、普通のノートを一冊用意しておくといい。予想、手順、結果、気づいたことを書くだけで、遊びが自由研究へ変わる。少し汚れたページほど、あとから見返した時にその日の熱が残っている。

まとめ:最初は楽しく、次に調べて、最後に手を動かす

小学生・中学生向けの科学本は、「いちばん詳しい本」から選ぶより、「今の子どもが開ける本」から選ぶほうがうまくいく。科学に苦手意識があるなら、まずは生きものの読み物から。調べることが好きなら図鑑へ。手を動かしたいなら実験本へ進めばいい。

読む順で迷ったら、次の流れが使いやすい。

  • 科学への入口を作るなら、『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』から始める。
  • 生きものの世界を広げるなら、『わけあって絶滅しました。』と『カラスの教科書』を続けて読む。
  • 宇宙に関心が出てきたら、『宇宙のふしぎ366』で疑問を増やし、『小学館の図鑑NEO 宇宙』で調べる。
  • 理科全体を見渡したい時は、『ビジュアル理科事典』を手元に置く。
  • 自由研究や家庭学習につなげるなら、『新版 科学の実験 DVDつき』と『おうちでSTEAM教育 わくわく科学実験図鑑』を使う。
  • 身近な現象から入りたい時は、『ガリレオ工房の水のひみつ』と『空気は踊る』がよく合う。

本を選ぶ時は、年齢だけで決めなくていい。低学年でも図鑑が好きな子はいるし、中学生でも笑える読み物から入ったほうが伸びる子もいる。大事なのは、その子が今どんな状態にいるかだ。

疲れている時には短く読める本を。自由研究前には実験本を。夜空を見上げたあとには宇宙の本を。通学路のカラスが気になった日には観察の本を。科学本は、生活の中の小さなタイミングと結びつくほど強く残る。

最初の一冊で迷ったら、笑える生きもの本を選べばいい。そこから自然は、少しずつ自分のほうへ近づいてくる。

よくある質問(FAQ)

Q. 小学低学年でも読める科学本はどれ?

低学年なら、『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』や『わけあって絶滅しました。』のように、イラストが多く短い項目で読める本が入りやすい。文字量の多い本は、無理に一人で読ませなくていい。『ガリレオ工房の水のひみつ』や『空気は踊る』は、親子で読みながら、実際に水滴や風船を見て話すと理解しやすくなる。

Q. 理科が苦手な子には、どの本から渡すといい?

理科が苦手な子には、最初から図鑑や事典を渡すより、笑える読み物や身近な現象の本が合う。『ざんねんないきもの事典』で生きものの不思議に触れたり、『水のひみつ』で家の中の現象に気づいたりするほうが、抵抗が少ない。苦手な時ほど、「勉強になる本」より「誰かに話したくなる本」を優先するといい。

Q. 自由研究に使いやすいのはどれ?

自由研究なら、『新版 科学の実験 DVDつき』と『おうちでSTEAM教育 わくわく科学実験図鑑』が使いやすい。実験を選び、予想、手順、結果、考えたことをノートにまとめれば、そのまま研究の形になる。生きものが好きな子なら『カラスの教科書』を参考に、身近な鳥の観察記録をつけるのもいい。遠くへ行かなくても、毎日の観察は十分に研究になる。

Q. 図鑑は何冊もそろえたほうがいい?

最初から何冊もそろえる必要はない。宇宙が好きなら『小学館の図鑑NEO 宇宙』、理科全体を見渡したいなら『ビジュアル理科事典』というように、関心に合わせて一冊ずつ選べばいい。図鑑は持っている数より、よく開かれているかが大事だ。リビングや机の近くに置いて、疑問が出た時にすぐ開ける状態にしておくと使われやすい。

Q. 中学生にも役立つ本はある?

中学生には、『カラスの教科書』『ビジュアル理科事典』『小学館の図鑑NEO 宇宙』『新版 科学の実験 DVDつき』が特に使いやすい。授業で習う用語を、実際の生きものや現象、図版、実験と結びつけられるからだ。受験勉強だけで理科が固くなっている時には、読み物や実験本を挟むと、知識が少し呼吸を取り戻す。

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