学生時代に「人と違うこと」ということから、いじめなどで苦しんだりする人も多くいるかと思います。
学校という閉鎖した空間にいるとなかなか感じられませんが、世の中にはいろんな考え方があります。
今回は「人と違うこと」は 悪いことじゃない、「みんな同じじゃなくてもいいんだ」と思えるおすすめ本を紹介します。
悩み続けると自分の視野、世界が暗く狭くなってしまいます。
そんな時に読書は良い薬になります。
あなたも読書で視野を広げてみませんか?
『飛びはねる思考』
東田直樹
「僕は22歳の自閉症者です。人と会話することができません」最初のセリフにはこんなことが書かれています。重度の自閉症である東田直樹は、普段はどうしても奇声をあげて飛び跳ねてしまいます。会話ができない青年なのです。しかしひとたび文字によって表現させると、そこには聡明で繊細な姿が浮かび上がってくるのです。
彼らが悩み感じていたことは誰もが経験していたことだったのです。自閉症の人にどう対応していいかわからなかった私たちには彼らが何を考えているか初めて教えてもらえる本でしょう。自閉症について少しでも理解したら人類は一歩前進できるかもしれません。知識は人間を豊かにし優しくしてくれるのです。
特に教職課程にいる大学生に読んでほしい本ですね。
『あのひととここだけのおしゃべり』
あのひととここだけのおしゃべり―よしながふみ対談集 (白泉社文庫)
よしながふみ
よしながふみの代表作を、多くはドラマや映画にもなっているからご存知の方も多いでしょう。『大奥』は江戸時代を舞台に男女が逆転した世界を描いた歴史改変漫画です。同じくドラマ化された『西洋骨董洋菓子店』の天才パティシエはゲイだったし、料理漫画である『昨日何食べた?』の主人公二人もゲイです。
この本は対談集なのですが、これを読めばゲイものや BL や、やおい系の違いもしっかり押さえられるようになるでしょう。
それらの根っこにあるものは何か。吉永さんの言葉が端的で分かりやすいです。ボーイズラブじゃなくて少女漫画を読んでいる人だって、基本的に抑圧されていない人は一人もいないのです、女であるかぎり。フェミニズムって女性のためだけにあるものではなくて、誰もがより自由に幸せに生きるために必要なものだというセリフも示唆深いですね。
社会人になって女性差別という言葉に触れたらこの本の台詞を思い出してください。
『僕は、そして僕たちはどう生きるか』
梨本香歩
この小説は里山のような庭を持つ友人の家を舞台に、ある1日に交わされた会話や、回想が中心なのですが読むにはちょっと時間がかかるでしょう。
特別にボリュームが多いということではありません。立ち止まるポイントがいっぱいだからです。例えばコペルが犬のブラキ氏を好きな理由、庭の野草スベリヒユで美味しそうな炒め物を作るところ、、ページをめくる手を止めてぼーっと思い浮かべてしまう場面がついつい多くなってしまうでしょう。
何気なく選んだ本があなたの魂の居場所になってしまう、そういう本がありますがもしかしてこの本はそれになるかもしれませんよ。
時間のある大学生の間に読んでおきたいオススメの本ですね。