初々しいボーイ・ミーツ・ガール物語、シンデレラストーリー、共感できるような男女のすれ違いを描いた恋愛小説じゃ物足りないという方におすすめの燃えるように美しく激しい恋愛小説を紹介いたします。
どの本も一筋縄ではいかず、理性やありきたりの概念にとらわれない「魔性の女」が登場します。ドロドロな作風ではなく、一生に一度こんな恋をしてみたいなと思わせてくれる情熱的な作品です。人間心理が深く書き込まれているので、恋愛小説が苦手という方にもおすすめです。是非手に取ってみてくださいね。
深く深く、砂に埋めて
真梨 幸子(著) （講談社）
ファムファタール文学の金字塔「マノン・レスコー」を下敷きとして書かれたという愛と欲望が入り交える長編ロマンス。イヤミスの女王と呼ばれる著者によるストーリー展開に読者はどんどん引き込まれます。魔性の美女と、彼女に惹かれることによって転落する男たち。詐欺や殺人事件で逮捕された男たちから浮かび上がる聖女なのか悪女なのかも分からない美しい女性。
すべてのものを捨てても、悪の道と分かっていても進まざるおえない苦悩。タイトルよりもソフトな内容で、一途な想いにあふれた小説。女性にもおすすめです。
椿姫
アレクサンドル デュマ・フィス (著) （光文社古典新訳文庫）
胸に病気を患った美貌の高級娼婦マルグリット。虚偽に満ちた贅沢な生活を捨て、アルマン青年との愛のために生きようとする物語です。娼婦ながら、無邪気で穢れのない心をもったマルグリッド。ラストは聖女のような魅力を放ちます。
つかみどころのない魅力に読者もアルマンと同じようにどんどんはまりこんでいきます。格調高い文章ながらも読みやすい新訳で読むのがおすすめ。古典ながらもすらすら読み進めることができます。オペラでも有名な題目なのでストーリーを知るためにもどうぞ。
わが愛の讃歌―エディット・ピアフ自伝
エディット・ピアフ(著) （晶文社）
不器用で自分の愛に率直に生きたピアフ。何度も人生につまづきながらも、ただ真実の愛のために疾走した人生です。貧しい暮らし、歌との出会い、運命の恋。
愛を求めるだけではなく、愛を与え続けた人生でもあります。彼女の歌の魅力は内面から溢れる強さがあるからこそ。数奇な運命に踊らされながらも懸命に生き続けた芯の強さには圧巻させられます。
恋愛ハウツー本やまとめ記事を読んでいると、脈ありサインや男の本音、落とし方など軽薄なものばかり。たった一人きりの人生。ルールやマニュアルに縛られずに真実の愛のために生きてみませんか？
