人を好きになるって、どうしてこんなに苦しいんだろう。切ないんだろう。傷つくことが恐いのに、どうしてまた人を好きになってしまうんだろう。一緒にいると嬉しくて、ずっと一緒にいたいと思うのに上手くいかなくて。恋愛真っただ中の方、恋なんてもうしばらくお休みしたいという方、恋が何かも忘れてしまったという方。どんな年代にもおすすめの共感してしまうおすすめ恋愛小説を紹介いたします。
「愛がなんだ」
(角川文庫) 角田 光代・作
強烈な片思いの女の子の小説。好きな人のために時間をつくるためには、仕事さえも放棄しがちなOLのテルコ。好きな人が最優先、そんな時期は誰にでもあって、他人からみたらバカバカしかったり、相手からしたらただの「都合のいい女」で重いと言われたり。愛っていったい何なんだろう、と言いつつもまた恋をしてしまう。みっともなくっても傍にいたい。一途な女が良いといいつつも男心は難しい。それでも愛したいから愛すんだ、というテルコが痛々しくも共感できます。
「女の子は、明日も。」
飛鳥井 千砂・作
32歳女子4人。不倫関係にあった医師と結婚、仕事が大好きな編集者、翻訳者、不妊治療中の女性の友情や恋愛が描かれた小説版「セックスアンドシティ」です。女の揺れ動く心、女性特有の悩みが爽やかな文体で綴られています。ときには嫉妬したり羨ましがったり。女子会に参加しているような気分になれる一冊です。
「センセイの鞄」
川上 弘美・作
大人になったツキコと高校の頃の国語の先生は、ある日偶然飲み屋で再会する。お酒を酌み交わしながらいろんな話をしたり、キノコ狩りに出かけたり。アラフォーの女性と70歳を過ぎた男性とのゆったりとした大人のための恋愛小説です。谷崎潤一郎賞受賞作品で、ろうそくの明かりのようなじんわりと温かい作品です。
人の数だけいろんな恋愛パターンがあって、読んでいると切ない気分になったり、一緒にドキドキしたり。違った恋愛を覗き見るのも楽しいですね。読み終わった後に、また恋をしてみたくなったり、パートナーに会いたくなる、そんな恋愛小説です。