少年はいろんな体験をして大人になっていくという物語は古今東西いろいろなものがありますね。
中でもが読んでいて胸が踊る物語をご紹介します。
『怪物ガーゴンと、ぼく』
著・ロイド・アリグザンダー
ぼくは11歳。ひどい病気で、学校を長いあいだお休みしていました。そこで、ガーゴンというあだなのおばあさんに個人教授を受けることになりました。
ガーゴンというのは、ギリシア神話に出てくる怪物ゴルゴンのことです。そんなあだながつくだけあって、ガーゴンはたいそうかわった人でした。ぼくの両親は、ぼくのことをたいして気にかけないで、とうめい人間のようにあつかいましたが、ガーゴンは、ぼくの心の中までしっかり見てくれるのです。
これはアメリカの児童文学者の自伝的小説です。1924年生まれで、そのころの社会状況なども書かれています。「ぼく」の作った物語もあちこちに挿入されていて、ぼくとガーゴンの心の結びつきを強く感じさせます。
『影との戦い ゲド戦記1』
著・アーシュラ・K・ル=グウィン
生まれながらに魔法の力をもっていたら?なにも教えられなかったのに、7歳で魔法がつかえたら?ダニーがそうでした。まじない師のおばは、ダニーがもっている不思議なに気づいて、知っているだけの魔法の知識を教えましたが、きちんとした教育はできませんでした。
ダニーは、13歳の成人の儀式で大魔法つかいオジオンに真の名前をあたえられ、その弟子になります。その名は「ゲド」。のちに「竜王」とか「大賢人」と呼ばれる、ゲドの誕生です。
「ゲド戦記」は全6巻。アースシーという架空の世界で、魔法使いや竜が活躍する。大人にもファンが多い。
『たんたのたんけん』
著・中川李枝子
たんじょうびのあさ、たんたのもとに、ふうとうのてがみが、とどきました。なかからでてきたのは、しわだらけのかみ。それは、だれかがかいた、たんけんのちずでした。
たんたは、ちずをもって、でかけました。さいしょにぼうしやさんで、たんけんのときにかぶるぼうしをえらびます。すると、ひょうの子どもも、やってきました。
ふたりは、かわでできた、じょうぶなぼうしをかいました。あめも、ぼうえんきょうも、そろえました。さあ、ふたりで、しゅっぱつです!
ほとんどのページに挿絵が入り、自分で物語を読み始めた子どもにおすすめの本です。歯切れのいい会話が続いていて、声に出して読んでも楽しいですよ。
続編に「たんたのたんてい」があるのでそちらもぜひ読んでみてください。
男の子は成長する過程で試練や冒険を経験し大人の男に成長するのだそうです。
なにも怪獣と戦ったり、秘境を探検しなくても日々の生活のなかにも冒険は隠れています。
そんなときに心の支えになる本があれば心強いですね。