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【影 おすすめ 本】影の存在をモチーフにした小説まとめ。シャドウ好きにおすすめ。

光があるところには影がある。自分そっくりで、どこまでも追いかけてくる影。真っ暗闇では消える影。見えていなくても、自分が存在する限り、必ずそこに存在するもう一人の自分。今回は「影」をモチーフにした小説を紹介いたします。

 

「影をなくした男」

影をなくした男 (岩波文庫)

(岩波文庫) シャミッソー・作
 「影をゆずっていただけませんか?」ある日現れた灰色の服の男。趣味レールは自分の影を売り、幸運の金袋を受け取ります。ゲーテ「ファウスト」を彷彿とさせられるアイデンティティの追求がテーマ。空っぽになった男の生き末は?切っても切れない自分との関係を見つめなおすきっかけとなる一冊です。

 

「影との戦い―ゲド戦記 1」

影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)

アーシュラ.K. ル.グウィン・作
 有名な児童文学。人並外れた力をもつ少年ゲドは、禁じられた魔法を使い、傲慢さと憎しみから影を生み出してしまう。影を追う少年の旅。影と一つになること、受け入れることによって人間としてまたひとつ大きくなるゲドの姿は、下手な自己啓発本を読むよりも勇気を与えてくれます。

 

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 全2巻 完結セット (新潮文庫)

村上 春樹・作
 著者の初期の作品。ハードボイルドとファンタジーの世界を行き来する深みのある世界観。店テンポよく繰り広げられる展開。もうひとりの自分として描かれる「影」の存在。シュールな物語に村上春樹らしいアイロニーもたっぷり含まれています。「海辺のカフカ」がお気に入りの方にもおすすめです。大学生の男性は感情移入するところが多いのではないでしょうか。ハルキストの方にも再評価していただきたい一冊です。

 

どこかにあるかもしれない、もう一人の自分。自分そっくりで同じ動きをするのに、まるで心を持ったように違う行動をおこすような不思議な存在「影」は、自己存在の定義として様々な文学のモチーフとしても使用されています。自分探しの旅をしている方にもおすすめの本です。

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