冒険小説は好奇心を育むためにはもってこい。
普段行くことのできないような架空の島、命がけの冒険は想像力をかきたててくれますし、本の登場人物が恐れを抱きながらもひとつひとつの問題を体当たりでクリアしていく様子は、現実の世界でも子どもたちの背中を押してくれます。なんでも一人でやってみたいという好奇心は、大人になるにつれて薄くなるもの。
子どもの頃から何事にも好奇心を抱くことを大切にすれば、視野も広がり、人生を生きやすくしてくれるもの。今回は、普段恐がりな小学生のお子さまにもおすすめの冒険小説を紹介いたします。長編でもドキドキわくわくして読み終えることができる本です。
二分間の冒険
岡田 淳(著) (偕成社)
まるでロールプレイングゲームのような少年少女が冒険する物語。一人ではできないことも仲間と協力しあって問題を解決していきます。話ができる猫を助けたら異世界に飛ばされた六年生の悟。たった二分間の長い大冒険が繰り広げられます。読書嫌いの男の子も夢中になって読んだという人気作品。自立心をはぐくむ王道冒険物語です。
シンドバッドの冒険(アラビアン・ナイト)
斉藤 洋(著) (偕成社)
商人シンドバッドが嵐や怪奇現象に合い、遭難して怪物やこの世のものではない不思議な存在と出会う。知恵を使って困難を乗り越え、巨万の富を得て故郷に帰るという冒険譚。命の危険を感じるスリルある展開、宝の山。「ルドルフとイッパイアッテナ」の著者によるアラビアンナイトシリーズの第一弾です。
コロボックル物語(1) だれも知らない小さな国
だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1)
佐藤 さとる(著) (講談社文庫)
美しい「ぼくの小山」には小指ほどの小さな人たちが住んでいた。いたずら好きなコロボックル、四季折々の自然の移り変わり。山を守るための大人の冒険ファンタジー。子どものころに出会った宝物のような友人たちを守り続けるセイタカさんの真摯な姿に胸を撃たれます。子どものころに読んでおきたい大切な一冊。シリーズ化されていますが、それぞれ話が完結しているので自分のペースで読み進めることができます。
どんなときも冒険心を持っていれば、恐れることをきちんと恐れ、立ち向かっていく勇気を育むことができます。一冊の本を読み終えることができたというのも立派な冒険のひとつ。男の子も女の子も、いつまでも冒険者であってほしいと思います。