大学に入ると文学部ではなくても一般教養科目て心理学というものがあります。
テレビドラマの心理分析官などが活躍している場面を見て憧れを持った方もいるでしょう。
そんな心理学に関する本を違った分野から3冊ご紹介します。
『江豆町 ブリトビラロマンSF』
著・小田扉
海沿いに存在し、町の至る所に廃線になった路面電車の跡が走る江豆町という架空の街を舞台にした漫画の連作短編集です。
全12話で共通する登場人物も何人かいるのでひとつの物語としても読めます。なんだか皮膚感覚的な距離の近さを感じさせる音でしょう。
それは温かみと称してもいいような感触ですが、あくまで温度は低く語り口は淡々としています。
この本の中では親子の絆、男女の恋愛感情といったわかりやすく恋人間同士の繋がりのようなものはほとんど描かれていません。
その代わりにすれ違う人々とその町で取り交わされる一瞬の優しさのようなものが常に漂っています。読んでいてなんだか癒される本ですよ。
『読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー』
読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー [セラピーシリーズ] (ムックセレクト)
著・アレン・カー
麻薬中毒でなくても、アルコール中毒でなくても、そしてタバコ中毒でなくても人は大概何かに依存しているものです。
タバコほどの全く良くないものではないものの、心身を害する可能性を秘めた何かを過剰摂取しながらこのままではダメだと思いながら生きているのです。
この本は禁煙の本なのですが、こういう読み方もできます。何かに依存していると自覚している人はタバコに置き換えて読んでみると良いでしょう。
そこには驚くほど腑に落ちる技術がいくつもあります。ズバリ禁煙を志している人はでもべきおすすめの本です。
『精神分析学入門』
著・フロイト
現在の精神医学、心理学の源流にあるフロイトを、一度でも読んだことがあるでしょうか。たとえば映画でもおなじみの
寝椅子に横たわりながら自分の心の内側を精神分析医に語るシーンは有名ですね。
アメリカでは一時期、自分の精神分析医を持つことが、 あるランクの人なら当たり前のようになっていたそうです。
心理学本というと身構えてしまいそうですが、本書は講義形式をとっていて、意外なほど読みやすいです。
彼がなぜ、精神の未開地を探るに至ったか、その筋道と基本的概念がわかる本になってます。
エネルギーの熱さとオリジナルな着想の核が伝わってくる、そんな情熱的な本でもあります。
そんな人間の深層心理に関する本を小説、実用書、学術書という違った角度から眺めてみるのもおもしろいですよ。