皆さんは自己啓発本をお読みになった事はあるでしょうか? 自己啓発本というものはとかく胡散臭い目で見られがちですが、読むとやはり元気がやる気が出るものです。しかしこの自己啓発本を読んで湧いてきたやる気というものは中々持続しません。
多くの方はすぐもとの自分に戻ってしまったという経験がおありでないでしょうか。こういったことがあるからこそ疑われるのかもしれません。一時的にその気にさせるだけで、結局の所役には立たないのだと。自己啓発本が売れるのは自己啓発本に効果がないからだなどと言う人もいます。私自身も大学生のころから幾度もそうした経験を繰り返してきました。
今度こそはと期待を込めて読んでみるのですが変わる事が出来ず、そうやって挫折するたびに自己嫌悪だけが大きくなりました。これではむしろまったくの逆効果です。
私はますます体が重くなり、意欲が失われていきました。そのまま社会人になり、こんなことで本当に自分はやって行けるのだろうかと神経衰弱のような日々を送っていました。
『無意識さんの力で無敵に生きる』
無意識さんの力で無敵に生きる ―思い込みを捨て、自由自在の人生を手に入れる方法―
そんな時に出会ったのが大嶋信頼氏の『無意識さんの力で無敵に生きる』(青山ライフ出版)でした。私は上述のような失敗の連続から、表面的な感情に訴えて行動を促すような本の効果に不信を抱く様になっていました。故にそうした表面的な部分ではなくもっと深くの無意識的な部分を変えていかなければならないのではないかと漠然と考えていたのです。そこでこの本に出会いました。タイトルに淡い期待を抱いたのです。
初読の印象は「なんだかよく分からない」でした。にもかかわらず私は頁を捲るたびに安心感と共に元気が湧いてくるの感じられたのです。初めての経験でした。大嶋氏はカウンセラーです。
数万件のカウンセリング経験をお持ちだということです。心理療法においてスクリプトというものがあり、この本はその手法を用いて書かれています。スクリプトというものはメタファーを用いた物語であり、無意識に訴え、意味が分からなくても自然と相手を治癒させるというものです。
何度も読んで欲しい
例えばこの本の中では「バラの詩人」というスクリプトが語られます。詳しくはお読みになって頂ければと思いますが、おおよそ以下のような話です。バラ好きの詩人が散歩をしていると、ある日橋のたもとに佇む老婆を見つける。老婆は没落してしまった貴族の出身で、来る日も来る日もそこに佇んでいる。ある日詩人がバラを渡すと、彼女はそれを受け取り、去っていく。意味の分からない話ですよね?
私は幾度も読みましたが今でもはっきりした意味が分かりません。しかしだからこそいいのだと大嶋氏は本のなかで述べています。詳しい理論は割愛しますが、意味の分かる話は聞き手が意識的に捉えてしまい、無意識まで届かず、効果が薄いからなのだそうです。
ここがおすすめ
構成的は大嶋氏が自身の経験をスクリプト風に語る展開が続きます。ちょっと他には見ない変わった構成です。なんとなく方向性は分かるような気がするのですが、「成功したければ運動しろ!」のような具体的な示唆はありません。
掴み所がないのです。大嶋氏は今までの人生で意識的に自分を変えようと努力してきたのですが、上手く行かなかった事が語られます。そんな時大嶋氏は彼にスクリプトを用いた療法を伝授する事となる人物と出会います。
この方は名前がなく「お師匠さん」とだけ表記されます。この方の口を通じてまた様々なスクリプトが語られます。またこうしたスクリプトを用いた治療を成り立たせているのはタイトルにもなっている「無意識さん」であるということが具体的エピソードと共に語られます。あまり明確には定義されないのですが、大嶋氏曰く「無意識さん」とは「いつの間にかその人のバランスを取り、助けてくれるもの」であるそうです。この辺も敢えて曖昧な言い方がされています。
スクリプトとはその「無意識さん」を活性化させ、言わば自己治癒力を目覚めさせるものなのだそうです。幾度か読んで気付いたのですが、その「お師匠さん」なる人物自体が「無意識さん」自体のメタファーとして機能しているようです。さて、上述したようにこの本は具体的な示唆というものをあまり含まないので、効能を確かめたいのならご自身で読んで頂く他ないと思います。
きっと自分の中の「無意識さん」を感じる事が出来ます。実際に私はこの本に出会ってから変わりました。ただ癒されただけでなく、意識せず自然と行動が変わっていったのです。自己啓発本が信用出来なくなっている方にこそ、一読することをオススメします。
『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』
「そんな曖昧な本はちょっと…」という方には、同じく大嶋信頼氏の『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)がオススメです。
こちらはより具体的な説明や手法が紹介されています。簡潔にまとめられているので、時間のない社会人の方にもオススメです。この機会に大嶋氏の著作に触れてみてはいかがでしょうか。
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