ビジネスや勉強におけるストレス、神経。
喧嘩など感情のコントロール、理性。
人間生きている上で心理学は密接に関わっています。
今回はそんな心理学を学問から実生活に落とし込んで考えられるような、おすすめ本を紹介します。
『オーバーフローする脳 ワーキングメモリの限界への挑戦』
苧阪直行
我々が今日持って生まれた脳は、クロマニヨン人が4万年前に生まれた時とさして変わりがないそうです。しかし1日に出会う人の数はクロマニヨン人が一年間に出会ったであろう人の数に匹敵するといいます。果たして石器時代のクロマニヨン人の脳が現代の情報洪水に見舞われたらどうなるのか?そんな秀逸な問いかけが本書を最後まで読みやすくしているのでしょう。
つまり進化論という系譜の中で脳の役割にフォーカスを当てている点がこの本のユニークなところなのです。さらに本書はワーキングメモリーと言う機能に焦点を当てて解説しています。著者は数々の先行研究や自身の実験から、脳の記憶機能は訓練を通して改善され得るという結果明らかにしています。ワーキングメモリーは静的ではなくその容量の制約は拡張可能であるということが示されているのです。これには希望が持てますね 。AI を研究している大学生におすすめの一冊です。
『なぜ本番でしくじるのか プレッシャーに強い人と弱い人』
シアン・バイロック
学生時代を思い出すと「なぜあいつが」という思いをした経験は誰もがあるはずです。成績は学年でも一桁の順位であったのに、入試に失敗した人や、練習試合には抜群の動きを見せるのに公式戦ではイマイチな友人が周りにいたことでしょう。
今でも周囲を見渡せば、「なんであいつが」は、いるに違いありません。周囲だけではなくあなた自身にも心当たりがあるのではないです。かゴルフでここぞという時に普段は考えられないショットを打ってしまったことはないですか?女性に誘われながらホテルで失敗した経験はないですか?パットで起こることはベッドでも起こるのです(笑)本書ではこうしてプレッシャーを感じる人と、人の脳はどのように作用するのかということを、ケースごとに豊富な実験結果を交えて解説しています。ここ一番に弱いんだよなーと感じている社会人のみなさん、必読ですよ。
『夫婦ゲンカで男はなぜ黙るのか』
タラ・パーカー=ポープ
本書によると、男は黙って問題ないが女性は喧嘩で沈黙を保たない方が良いという研究結果があるそうです。喧嘩で感情を口に出さない女性は、思ったことをいつも夫に言う女性と比較して死亡率が4倍になるというのです。ちなみに男性は沈黙は健康には影響がないしたいで、円満な結婚生活を維持するために男は夫婦喧嘩では黙って我慢することが科学的に証明されています。
ただ喧嘩をしない方が幸せな日々を過ごせるという単純なものでもないようです。この点、夫婦喧嘩は科学的に見てもそれなりの役割を果たしています。結婚して間もない頃に喧嘩を数こなしている方が長期的には安定した関係を築けるのだそうです 。それを聞いて安心する人も多いかもしれませんね。