物を見るのも、体を動かすのも、考えごとをするのもすべては脳があるからこそ。数々の神経物質を体中のネットワークをもって運び出し、脳へ指令をおくることによって私たちは自分が思うように行動することができます。今回は脳神経の謎にせまる本を紹介いたします。一般人でも読みやすい専門書を集めました。脳に興味のある方、脳神経の病気をお持ちの方にもおすすめの本です。難しいからと嫌煙せずに手にとってみてくださいね。
あなたの脳のはなし:神経科学者が解き明かす意識の謎
あなたの脳のはなし 神経科学者が解き明かす意識の謎 (早川書房)
デイヴィッド・ イーグルマン(著) (早川書房)
スタンフォード大学の世界的権威である脳神経学者による著者がテレビ番組「ザ・ブレイン」で解説した脳の驚きの仕組みを図や表を使って分かりやすく説明してくれています。夫婦の顔はなぜ似てくるのか、脳が完成するには25年かかること、視覚などの感覚器を通してどのように情報を処理するか、人工知能について、意識とは何かということなど、最新神経科学を初心者にも分かりやすく書かれた本。感情と意識についてなど、読み進めていくうちに哲学や宇宙を感じられる神秘の世界。脳神経に興味がある方に最初に手に取ってもらいたい一冊です。
もっとよくわかる! 脳神経科学〜やっぱり脳はスゴイのだ!
もっとよくわかる! 脳神経科学〜やっぱり脳はスゴイのだ! (実験医学別冊 もっとよくわかる! シリーズ)
工藤 佳久(著) (羊土社)
いつも使っているのに実は知らない人間の脳のしくみ。複雑で高度な神経伝達により生きるために働き続けてくれている脳についての昔の実験から最新実験まで紹介された専門的内容の一冊。神経解剖学、生理学をふまえ、脳の全体的知識から脳疾患、精神病を脳神経学でどうみるのか、記憶についてなど、も興味深い内容について触れられています。専門用語を用いずにマンガも掲載された一般人でも気軽に読むことができます。どこから勉強したら良いのか悩んでいる医学生の方にもおすすめです。
ねじ子の ぐっとくる脳と神経のみかた
森皆 ねじ子(著, イラスト) (医学書院)
現役医師で、医学生時代からイラストレーターとして活躍したという著者による脳神経科学の授業ノートのような気軽でためになる一冊。面白く、飽きることなくねじ子さんの手技を学べます。医学の進歩により、CTやMRIで病気が見えるようになったことで、どこに問題があるのかを見抜いて確実に病を見つけること、神経伝達物質や脳内ホルモンが解析できるようになったことで脳の働きがますます明確にわかるようになったことなど、一般人が読んでも、なるほど!と思わせてくれる易しさです。脳神経の働きをざっくり学ぶことができます。
人間が文明を作ってこれたのは、高度な脳の機能があったからこそ。情報を受け取り、解析し、実行に移す。一見当たり前のようでいて、とても素晴らしいことです。まだまだ科学的にも解明されていない脳の仕組み。これからの研究にも注目が集まりそうです。