普通の家族ってなんだろう?実はそんなものは存在しないのかもしれません。
家族ってひとつとして同じものはなく、それぞれが尊い存在なのです。
そんな3者3様の家族模様を描いた作品を紹介します。
『シロクマたちのダンス』
著・ウルフ・スタルク
クリスマスイブのパーティーの日に大変なことがわかりました。かあさんに恋人がいて、おなかのあかんぼうは、その人の子だというのです。
ラッセは、どうしたらいいでしよう。かあさんといっしょに、かあさんの恋人の家でくらすか、それとも、とうさんとふたりでくらすか.........。
かあさんの恋人は、お金持ちだし、洋服も買ってくれるし、勉強も見てくれます。
とうさんは、無口で無愛想だけど、ハーモニ力が上手で、ラッセを心から愛してくれています。
他人から見て「よい子」になるための努力。らしさがなくなってしまうことへの恐怖。自我の確立の時期に、ラッセは、まわりの大人にふりまわされながらもけなげに自立していきます。
家庭環境が変化している子供に読んでほしい本です。
『ダニーは世界チャンピオンロアルド・ダールコレクション6』
ダニーは世界チャンピオン (ロアルド・ダールコレクション 6)
著・ロアルド・ダール
ダニーは、父さんとふたりで箱馬車に住んでいます。父さんは、小さな自動車修理の作業場を持っていて、ダニーはそこで遊んで大きくなりました。
以前に、自動車のエンジンを分解して元通り組み立てることができました。ダニーが9歳になったある夜、夜中に目を覚ますと、父さんがいません。
それをきっかけに、ダニーは父さんの秘密を知ってしまいました。
意表をつく展開でいっきに読めてしまうと同時に、父と子の強いきずなに心が温まる物語です。
『ぼくらは世界一の名コンビ!』の書名で長く読まれてきましたが、2006年に訳者を替えて新版になった本です。
父と息子の感動的な絆を描いた名作です。
『おばあちゃんのすてきなおくりもの』
著・カーラ・スティーブンズ
ハタネズミのおばあちゃんは、ひとりぐらしです。さむいゆきの日、モグラとハツカネズミとトガリネズミが、おばあちゃんのところにあついスープをもっていくと、ストーブの火がきえて、こごえそうになっていました。
「みんなは、まきをはこんで、ストーブに火をつけました。スープをのんでげんきになったおばあちゃんは、すてきなおはなしをしてくれました。
年とったハタネズミが亡くなるまで世話をする若い3匹。助け合いや思いやりの心が、気持ちよく描かれている心温まる作品です。
人を思い遣る、相手の気持ちになって考えてみる。
現代社会では、とかく忘れがちな行為になってますが
ここらで立ち止まって、人間の基本というものに立ち返ってみるのもいいですよ。