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涙腺崩壊する小説

 ストレスがたまっているとき、涙を流すことはリラックスするひとつの方法だとか。「涙活」といって泣ける映画や泣ける本というのが一時ブームになりました。前向きなことは大切なことですが、いつどんなときでも元気いっぱいでいられるわけではありません。感情をコントロールすることを強いられ、泣くことが少なくなってしまった大人へおすすめの涙腺崩壊する小説を集めました。どうぞ手に取ってみてください。

 

べつの言葉で

べつの言葉で (新潮クレスト・ブックス)

ジュンパ ラヒリ (著) (新潮社)
 インド人の両親を持ち、アメリカで生まれた著者。タリア・ルネッサンス建築の研究をするなかで、フィレンツェを訪れたときにイタリア語が素敵な音に聞こえ、自分との強いつながりを意識し、イタリアに移住します。
 イタリア語を学び、言語の壁にぶち当たりながらも、イタリア語で小説を書き上げました。その根底に浮かび上がるのは、異邦人としての切なさや文化やヒトとしての根源的な違い。手の届かない哀しみにうちひしがられながらも、懸命になにかを伝えようとする著者の心に涙なしではいられません。
 相容れない寂しさや悲しみを背負っている方に読んでほしい本です。

 

すべての見えない光

すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

 アンソニー ドーア (著) (新潮社)
 第二次世界大戦中、盲目の少女と無線に夢中になった少年との兄妹愛をダイアの宝石のようにきらびやかに描いた詩的な作品。戦争中の不穏が根底にあり、自分の思うように人生を生きれないもどかしさを感じさせながらも、なお輝く二人の文章に引き込まれます。ピューリツァー賞を受賞し、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに100週以上ランクインした話題作。ヨーロッパ映画が好きな方は是非手にとってみてください。

 

セーヌ川の書店主

セーヌ川の書店主

 ニーナ・ゲオルゲ (著) (集英社)
 セーヌ川に浮かぶ船の上で悩みを抱えた人々に本の処方をする書店主ジャン。他人の心を癒せても、彼女自身は自らの傷を癒やすことができずに生きてきました。
 ある日届いた恋人からの手紙をきっかけに、彼女は故郷プロヴァンスへの旅に出かけます。本と恋と旅をキーワードに人生の再出発をテーマにした笑って泣ける作品。生き生きとした登場人物の描写と人間の温かさに触れることができます。37ヶ国で150万部を突破した涙の物語です。

 

 なるべく感情移入できそうな作品をセレクトしました。自分と向き合うためにも読書の時間は必要。涙して心洗われたら、また明日にっこり笑ってくださいね。

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