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チャールズ ・キーピングのおすすめ本

 ロンドンの下町に生まれ、海軍に従事したあと、イラストレーターとして活躍し、自らも絵本を手がけることになったチャールズ・キーピング。

自らの少年時代をもとにした素朴でみずみずしい作品が多く、一筋縄ではいかないストーリー、繊細だけどどこか憂いのある子どもの表情、多彩色のデッサンなどが特徴的です。

生涯で多くの賞を受賞した有名な絵本作家ですが、彼の文章は詩的で大人が読んでも美しい心に響く作品が多くあります。今回はチャールズ・キーピングの魅力が存分に発揮された絵本を紹介いたします。独特の世界観に巻き込まれながらまばゆい光を感じとることができる作品です。どうぞお楽しみください。

 

夜明けの人びと

夜明けの人びと (岩波少年文庫 (2148))

 ヘンリー・トリース(著) (岩波書店)
 チャールズ・キーピングが挿絵を描いた代表的な児童文学。人類の歴史の夜明け、イヌ族の男は闘わなくては男ではないといわれていたころ、まがり足の少年は闘うこともせず、絵を描いていた。その絵を描く力を魔力と信じた村の人たちは少年を追い出すことに・・・。部族から部族へ渡り歩いていく少年は部族間の争いを静めるために絵で人々の心を癒すことを思い立ちます。一言では言い切れない感情の波が押し寄せてくる力強くも淡くもろい人々の姿。平和と芸術について考えさせられる良書です。

 

ふるいせんろのかたすみで

ふるいせんろのかたすみで

 チャールズ・キーピング(著) (ロクリン社)
 廃線あとの駅。列車がやってこない駅で暮らしているのは、質素ながらも心は豊かに暮らしている個性豊かな老人たち。ある日、みんなで買ったくじが大当たり。暮らしは一変します。それぞれの老人たちの生活の変化はどのようなものでしょうか。セピア色で描かれたペン画は繊細で今にも溶けてしまいそうなほど。深く味わいのある絵本です。

 

チャーリーとシャーロットときんいろのカナリア

チャーリーとシャーロットときんいろのカナリア

 チャールズ・キーピング(著) (ロクリン社)
 チャールズ・キーピングの代表作。いつもいっしょのチャーリーとシャーロットは大の仲良し。ところがアパートの取り壊しのため、二人は離れ離れになってしまいます。行先も分からない引っ越し。こらえきれない寂しさに、チャーリーはせめていつもいっしょにみていた金のカナリアを飼うことに決めたのですが・・・。いたいけな子ども心とカナリアが起こした奇跡に幸せな気分になれる絵本。気持ちの温度が伝わる素敵なイラストです。ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品。

 

アルフィーとせかいのむこうがわ

アルフィーとせかいのむこうがわ

 チャールズ キーピング(著) (ロクリン社)
 テムズ皮の工場裏に住む少年アルフィーは、毎週金曜にやてくる元船乗りのバンディおじさんの「せかいのむこうがわ」のおはなしを聞くのが大好き。ある日迷子になってしまったアルフィーは色とりどりのライトが輝く船を見つけます。「せかいのむこうがわ」に行くことを決心したアルフィーは・・・。ロンドンの幻想的な夜の風景を描き出す極彩色のタッチは読み手側も異世界へと旅立たせてくれます。

 

 昔、たしかに味わったことのある気持ち。大人になって忘れてしまったような繊細な心を呼び戻してくれるようなリアルな幻風景が目の前に広がる作品です。まるでミニシアターを観ているかのような文学的でやさしい世界観。絵も文章も上質を知る大人にもおすすめです。

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