絵本を選ぶとき、内容はもちろんですがイラストがオシャレということで手にとることが多いのではないでしょうか。大人になればなるほど、その傾向が強くなっていくように思います。
詩的な絵本、哲学のような絵本、画集のような絵本など、大人向けの絵本がどんどん出版されているのは嬉しい限り。オシャレなカフェや美容室でもインテリアの一部として絵本を飾っていることもあります。大好きな本が風景の一部になっているというのは読書好きにとっての憧れのひとつ。今回は、どんな人が訪ねてきても思わず手にとりたくなるようなオシャレな絵本を紹介いたします。
ひとつ (福音館の科学シリーズ)
マーク・ハーシュマン(著)(福音館書店)
特別なかず、ひとつ。「かぞえきれないほど、ほしはあるけどそらはただひとつだけ」というように、1という数字がどれだけ大きなものを包容しているか考えさせられる哲学的な絵本。谷川俊太郎さんの翻訳がシンプルでリズムカル。西洋油絵のようなイラストが特別感を倍増してくれます。いろんなひとつがつながって大きくなる。夢のような平和な世界観が繰り広げられます。
ちょっとお茶を入れているとき、席を外すときなど意外にも気を使ってしまうもの。そんなとき、お客様をもてなしてくれる絵本があれば気まずい空気もなくなるかも?
3びきのこいぬ
マーガレット・G. オットー(著)(長崎出版)
ダックスフンドの子犬たちが登場する手のひらサイズの絵本。オトナのチョコレートのようなシックな色合いもオシャレです。子犬たちが迷子になって帰ってくるというストーリーですが、子供と子犬の触れ合いや飼い主とのやりとりが、無邪気な子犬らしさ満載で愛おしくなります。ページごとに背景の色合いが変化するのも鮮やか。どのページも額に入れて飾りたくなるようなイラストです。
ベンのトランペット (あかねせかいの本 7)
レイチェル・イザドラ(著, イラスト) (あかね書房)
モノクロで描かれたトランペットに憧れる男の子の友情物語。とにかくクールで、ページを開いたとたんジャズのリズムが伝わってくるような絵本です。自分にしか見えないエアトランペットを吹くベンとジャズに携わる熱い魂の男たち。オトナのロマンがたくさんつまった一冊。お酒を片手にジャズとともに読んでください。
読書のジャンルの好みは分かれても、絵本の世界は誰もが好むものが多いような気がします。是非、お部屋のインテリアにも絵本を取り入れてみてくださいね。