子供たち、特に男の子の世界では、それまでの自分の殻を打ち破って成長していかなければいけない時が来るものです。
怖い、でも乗り越えなきゃ大人にはなれない、そんなときに勇気づけてくれる3冊をご紹介します。
『オリバー、世界を変える!』
著・クラウディア・ミルズ
オリバーは「さえてる男の子」というより「かっこわるい男の子」だなと、はじめは思うかもしれません。だって、太陽系の模型をつくるという宿題を、おとうさんとおかあさんがどんどんやってしまって、オリバーは何も言えないんですから。でも、友だちのクリスタルといっしょに作ることに決めてから、オリバーは変わりました。
すてきなことがぱっと頭にひらめいたからです。惑星からはずされた冥王星に「ぼくも仲間に入れて!』と書いたプラカードを持たせるのです。
両親がよかれと思ってやることが、オリバーにとっては苦痛になっていくようすをていねいに描き、共感を呼びます。子どもたちを見守る先生やクリスタルの母親など、大人たちの存在が物語に深みをあたえています。
『パーシーの魔法の運動ぐつ』
著・ウルフ・スタルク
パーシーは、ぼくのクラスに転校してきたばかり。けんかが強くて、げんこつで殴るのがうまいし、校庭につばをペッと吐くのもかっこいい。走ってくる自動車にむかって一番近いところを渡る競争も教えてくれた。体育の時間の平均台では、後ろ向きに歩いて、みごとにターン。
パーシーがそんなに冴えてるのは、じつは魔法の運動靴のせいだっていうんだ。ぼろぼろでくさい運動靴だけど、そんじょそこらの靴とはちがうんだって。ぼくも、ほしい!!
スウェーデンの児童文学作家が、自分の子ども時代をもとにして書いた作品です。屈託のない子どもの世界がテンポよく描かれていて、読書が苦手な子も、文句なく楽しめますよ。
『黒い島のひみつタンタンの冒険』
著・エルジェ
タンタンは、少年ルポライターです。子どもですが、愛犬スノーウィと世界中をめぐって、新聞記事を書いています。今日は、ナンバーのない飛行機を目撃しました。そこから事件は広がって、タンタンは偽札犯人を追いかけて、スコットランドにとびます。
スコットランドでは、民族衣装のキルトのスカートを履いての大活躍。偽札犯人を捕まえたばかりか、付近の漁師たちを悩ませていた怪物の正体もつきとめるのです。
ベルギーの新聞記者が生み出した少年ルポライターのタンタンは、時代をこえて今でも子どもたちに読みつがれています。
周りの大人が無理矢理背中を押して成長するというパターンもありますが、物語を読んでうちなる自分を奮い立たせて成長するという子はきっと素敵なオトナに成長することでしょう。
小学生高学年の男の子にオススメの本です。