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くじらの絵本

 海で一番おおきな生き物といえばくじら。頭から潮を吹きだし、群れを成して泳ぐ姿は海の王者。体は大きいですが、性格は優しく大人しく、人間と同じ哺乳類です。脳の大きさと知性は比例するといわれている通り、くじらには指導や学習、協力し合う力、計画性、苦悩するといった神経細胞があることが知られています。だからこそ親しみを感じるのかもしれません。

くじらの生態はまだまだ謎に包まれていますが、昔から子どもたちの人気者。海でなかなか本物のくじらと出会うことはできませんが、その分想像上で大きなお友だちになれるのが楽しいのかもしれません。今回はくじらが登場する絵本を紹介いたします。大きなくじらに夢を馳せてくださいね。

 

ともだちくじら

ともだちくじら

 サイモン・ジェームズ(著) (小学館)
 シロナガスクジラとともだちになる少年の物語。くじらとの出会い、友情、別れ。子どもの夢がたくさん詰まった優しい雰囲気に包まれた絵本です。海のいろ、くじらのいろ、二人を照らす月の光。青と白のパステル調のイラストが夢の世界へと誘ってくれます。工藤直子さんの飾り気のない余韻のある詩的な文章が素敵な一冊です。

 

わたしはクジラ岬にすむクジラといいます

わたしはクジラ岬にすむクジラといいます (偕成社おはなしポケット)

 岩佐 めぐみ(著) (偕成社)
 引退したクジラ先生は毎日見知らぬだれかからの返事を期待して手紙を書いています。手紙を通じて、見たこともない動物や懐かしい動物とやりとりをするのです。ある日、オットッ島に住むくじらのくーぼーから返事が。くーぼーは昔、クジラ岬オリンピックでライバルだったクー助の孫だったのです。文通を重ねていくうちに「くじらオリンピック」を開催することになり、岬は大盛り上がり。愉快で心温まるストーリーです。

 

くいしんぼうのクジラ

くいしんぼうのクジラ

 谷口 智則(著) (あかね書房)
 「いただきます」が大好きで「ごちそうさま」がきらいなくじら。海の魚も町のごちそうも、畑の野菜もみんなみんな大きなお口で食べてしまいます。色鮮やかでダイナミックなストーリー。ラストはちょっぴりシュールで日本神話的です。食べものをいただくということ、「ごちそうさま」の大切さを教えてくれる絵本です。

 

 捕鯨反対運動なども世界的に行われていますが、食糧のない時代にくじらの命をいただいて生きてきた日本人もいます。大きなくじらで何人の命が救われたことでしょうか。特定の動物の捕獲はダメということではなく、今一度命が共存し合うことの大切さ、自然体系のバランスを崩さないように人間も謙虚に生きていくことが必要だと感じさせられます。
 

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