お母さんともお父さんとも違う。学校の先生や友達とも違う。おばあちゃんは無償の愛を届けてくれる存在。
頑張ったときは褒めてくれるし、壁にぶつかったときも優しくそばで支えてくれる。幼いころ、血縁関係だけではなく、近所のおばあちゃんも母性の塊のような憧れの存在でした。大人になった今も、おばあちゃんの前では素直になれるような気がします。そして、歳を重ねたときに、そんな素敵なおばあちゃんになりたいと願うのです。今回は、おばあちゃんが大活躍する本を集めました。少し甘えたい気分のとき、おばあちゃんっこのお子様にもおすすめの本です。
ばっちゃん ~子どもたちの居場所。広島のマザー・テレサ~
伊集院 要(著) (扶桑社)
万引きやカツアゲなどの非行に走った子どもたちを保護観察官とともに生活指導を行うボランティア「保護司」をしていたばっちゃん。「シンナーを吸っている間だけお腹が空いていることを忘れられる」という少年の言葉をきっかけに、無償で自宅を開放し子供たちにご飯を食べさせてあげたばっちゃん。
子どもたちの居場所をつくっていく過程と献身的に愛情を注ぐばっちゃんの様子はNHKのドキュメンタリー番組でも放送されました。様々な事情で家に帰れない子供たちの存在を知ること、大人が居場所を作ってあげることの大切さを教えてくれる本です。ばっちゃんの本気の覚悟に感動させられます。
月夜とめがね
小川 未明(著) (あすなろ書房)
月夜の晩、一人暮らしのおばあさんが針仕事をしていると、見知らぬめがね売りの男がやってきます。
めがねを買ったおばあさんの元に現われたのは小さな女の子。「日本のアンデルセン」と呼ばれた著者による静かで温かい物語。高橋和枝さんの絵が幻想的な夢に漂っているかのよう。月夜の晩に読みたい癒される作品です。
ルピナスさん―小さなおばあさんのお話
バーバラ クーニー (著) (ほるぷ出版)
海を見渡せる丘の上に住む小さなおばあさん。世界を美しくしようと立ち上がります。ルピナスの花に託された想い、強い意志を持って一人で生き続けた女性の姿に背筋がピンと伸びるような気持ちにさせられます。水彩画のうえから色鉛筆でアクセントをつけた優しい色使いの絵本。人に多くを求めすぎる方にも読んでもらいたい一冊です。心が清らかになります。
どの本も優しさとぶれない芯の強さが垣間見れる素敵な本です。いろんな困難を経験したからこそ身につけてきた優しさと強さ。今現在の苦しみや経験を無駄にせず、素敵に歳を重ねたいものです。