江戸川乱歩賞
高野史緒の小説は、音楽や言語や信仰といった、日常の奥にある「見えない制度」を物語として触れられる形にしてくる。作品一覧を眺めて途方に暮れるときほど、まずは芯がはっきりした数冊を深く読むほうが、作家の地図が手に入る。ここでは、いま手に取りや…
事件の真相だけでなく、「なぜ人はここまで追い詰められてしまうのか」をとことん描ききる作家が読みたくなるときがある。鏑木蓮の小説は、まさにそんな胸の奥をじわじわ掴んでくる物語だ。 シベリア抑留、無戸籍者、医療崩壊、孤独死──ニュースで見かける言…
呉勝浩の小説を読むと、まず「音」が残る。銃声や爆発音だけじゃなく、怒鳴り声、SNSのざわめき、誰かのすすり泣き、そして静かに落ちる雪の音。その全部が、読み終えたあともしつこく耳の奥で鳴り続ける。 どこから読み始めればいいか迷っているなら、まず…