江戸川乱歩賞
桐野夏生を読むと、暮らしの手触りがそのまま刃物に変わる瞬間が見えてくる。代表作から追うだけで、家族、労働、性、階級、老いが「物語の外」に逃げない作家だと分かる。ここでは人気作から順に作品一覧として30冊を厚盛レビューで並べる。 桐野夏生という…
高野史緒の小説は、音楽や言語や信仰といった、日常の奥にある「見えない制度」を物語として触れられる形にしてくる。作品一覧を眺めて途方に暮れるときほど、まずは芯がはっきりした数冊を深く読むほうが、作家の地図が手に入る。ここでは、いま手に取りや…
鏑木蓮を読むなら、まずは江戸川乱歩賞受賞作『東京ダモイ』で、社会派ミステリーと人間ドラマが重なる感触をつかむといい。もっと柔らかく入りたい人には『思い出探偵』、医療や心の問題から読みたい人には『救命拒否』『見えない轍』が入口になる。 この作…
呉勝浩の小説を読むと、まず「音」が残る。銃声や爆発音だけじゃなく、怒鳴り声、SNSのざわめき、誰かのすすり泣き、そして静かに落ちる雪の音。その全部が、読み終えたあともしつこく耳の奥で鳴り続ける。 どこから読み始めればいいか迷っているなら、まず…