おじいちゃんって、どんな存在でしょう?
ひたすら優しいおばあちゃんとは違って威厳のある、ちょっと怖いイメージでしょうか。
実はみんながみんなそんな、おじいちゃんばかりではないのです。
『さよならのドライブ』
著・ロディ・ドイル
「けっこうなおしめりだこと」学校の帰り道で、メアリーは誰かに話しかけられました。見ると、昔の人みたいなかっこうをした女の人です。
その人は、メアリーのおばあちゃんに大丈夫と伝えてと、頼みました。そして、ふいにいなくなりました。次の日も現れた女の人は、タンジーと名乗ります。
タンジーは、メアリーのひいおばあちゃんでした。母娘4代に渡る物語が、ゆっくりと解き明かされていきます。
ふつうの家族に起こった出来事を、4世代の女性の目をとおして、温かく、ユーモラスに描いている作品です。
思春期をむかえた女の子の複雑な気持ちを、よくとらえているので、まさに思春期の女の子にオススメの本ですね。
『おじいちゃんとおばあちゃん』
おじいちゃんとおばあちゃん (世界傑作童話シリーズ―はじめてよむどうわ 5)
著・E・H・ミナリック
ある日、こぐまのくまくんは、おじいちゃんとおばあちゃんにあいにいきました。ふたりは、もりのなかのちいさないえにすんでいます。
くまくんは、おじいちゃんに、こびとのゴブリンのおはなしをしてとたのみました。おじいちゃんは、くまくんがじぶんの手をにぎっていてくれるなら、はなしてあげるといいました。
じぶんがこわくなるかもしれないからですって。
全5巻シリーズで、ほかに「こぐまのくまくん』『かえってきたおとうさん』『くまくんのおともだち』『だいじなとどけもの』があります。
地味な本なのですが、愉快なお話が数編ずつ収められ、ひとり読みを始めた子どもにおすすめです。
『おじいちゃんの口笛』
著・タウルフ・スタルク
ベッラには、おじいちゃんがいません。友だちのウルフに、おじいちゃんってどんなことをするのか聞くと、「そうだなあ。コーヒーをごちそうしてくれるだろ。ブタの足をたべるだろ」っていいます。
ベッラは、ウルフといっしょにろうじんホームへいき、ひとりのおじいさんをみつけて聞きました。「こんにちは!おじいさんはブタの足をたべますよね?」そのおじいさんは、ブタの足はたべないけど、ベッラのおじいちゃんになってくれました!
無邪気な少年たちに、孤独な老人の心がしだいに解き放たれていくようすは心温まりますが、最後に別れがやってきます。
死をあつかいながらも、子どもらしい受けとめ方は納得できるし、生きることを肯定する明るさが感じられる読後感がさわやかな作品です。
ここに描かれている、おじいちゃんは、みんな型通りのお年寄りではありません。
でもそれこそが真実なのかもしれませんね。