いつも会社と家の往復で新鮮味がない、自分は何のために生きているんだろう。
そんな根源的な疑問を持つ社会人は多いことでしょう。
そんな人のために、ちょっと考え方を変えるキッカケになる本をご紹介します。
『エドワードホッパー アメリカの肖像』
エドワード・ホッパー―アメリカの肖像 (岩波アート・ライブラリー)
著・ヴィーラント・シュミート
本書はホッパーの描く光に関する記述が印象的な本です。人々の弱さと孤独を白日のもとにはさらけ出す無慈悲な光と本書は読めます
光は何も暖かく人を包み込むだけのものではありません。朝起きて疎ましい光の中をどこかへ行かなければいけない、もしくはどこへも行くことができない痛みは誰にもあるものでしょう。
ホッパーはそのことをわかっています。ただ分かっていると絵に描いて人間の見えにくい生傷をこの世界にはっきりと存在するものとして浮上させるのです。
『プラス思考をやめれば人生はうまくいく』
著・マイナス思考法講座ココロ社
自分はマイナス思考人間だなあと思っている人におすすめの本です。人を見れば自分を嫌っていると思うし、人間関係への負の思考は、仕事や生活にも影響してきていると辞任している人っていますよね。
エレベーターに乗るたびに挟まれる自分を想像するし、交差点を渡るときには必ず車が突っ込んできて吹っ飛ばされることを考えている、職場では間違いなく嫌われている、そんな方への福音のような本でしょう。
この本が提供してくれるのは自分を省みる事の有効性と、そうすることは辛いけれども少しは報われるかもよという非常に実際的で誠実な視点なのです。
『3月の5日間』
著・岡田利規
超リアル日本語演劇チュルフィッチュの旗手による戯曲です。イラク戦争が始まったその月に、美濃部とゆっきーは六本木のライブで出会い、そのままラブホテルで五日間を過ごします。
その出来事を登場人物たちが会話しながら物語は進んでいきますが、それは少しずつ食い違っていきます。
戦争の勃発と反戦運動をしている人たち、一方で自己の快楽を求める二人、周りで起こっている出来事を淡々と時にユーモラスに登場人物たちが描写していきます。
岸田國士戯曲賞、大江健三郎賞の受賞作で。演劇を志している人に読んでほしい本です。
自分が常識だと思っていたものは、実はそんなにカチッと決まったものでもないんですよ。
同じ景色でも見方を変えれば何かが変わるかもしれません。