環境破壊や地球温暖化が叫ばれ始めて久しくなっています。でも人間だって生き物として、この地球上に存在しているのですから
ラジカルな議論のように、人間そのものがいなくなればいいという話でもありません。
今一度、環境にとっての存在とは何かを考え直すキッカケになりそうな本を紹介しましょう。
『ミス・ヒッコリーと森のなかまたち』
著・キャロライン・シャーウィン・ベイリー
ミス・ヒッコリーは、木の人形です。胴体はリンゴの小枝、頭はヒッコリーの実で、目と口がインクで書いてありました。アンの家のうらがわのライラックの木の下に、とうもろこしの芯でできた家をもっていました。
ところが、とうもろこしの家はシマリスに取られてしまい、ミス・ヒッコリーは、コマドリの古い巣に住むことにしました。まずは、冬用のあたたかい洋服をつくらなければなりません。
ミス・ヒッコリーは、カラス、リス、キジ、シカ、ウシなどの動物たちと森暮らしを楽しむ本です。いなか暮らしののどかさ、自然のめぐみをたっぷりとあじわわせてくれる本です。
『森はだれがつくったのだろう?』
著・ウィリアム・ジャスパソン
200年前、アメリカのマサチューセッツ州で農夫の一家が開拓地を去っていきました。だれもいなくなった畑。これからどんな草や木が生え、どんな動物がすみはじめるのでしょう。最初に芽を出したのは、タンポポやハコベ、ブタクサなどの雑草。どんどんしげって、小鳥やノネズミ、ウサギが巣をつくります。
それを狙って、タカやフクロウも空を飛びまわります。5年すぎて、はじめて木が芽を出します。アメリカシロマツです。それから20年、今ではマツの森がひろがっています。
アメリカ北東部のマサチューセッツを舞台に、自然の遷移を、写実的で美しい絵を使ってわかりやすく説いています。植物と動物の食物連鎖も理解できる、自然の教科書なので自然に興味がある小学生にオススメの本です。
『大きな森の小さな家』
大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉 (福音館文庫 物語)
著・ローラ・インガルス・ワイルダー
今から140年前、北アメリカのウィスコンシン州には、クマやオオカミのいる大きな森がありました。その大きな森の小さな丸太小屋に、ローラは、とうさん、かあさん、メアリー、キャリーと暮らしていました。
家族のくらしは、なにもかもが手づくりです。とうさんが、てっぽうでシ力を撃ってきました。皮は、灰で塩をふり、なめし皮にします。肉は、丸太のうろにつるし、けむりを出して燻製にするのです。子どもたちもお手伝いをします。
著者が自分の子ども時代をいきいきと描いた「大草原の小さな家」シリーズは、アメリカの庶民の開拓史といえます。
要は人間と環境の関係は関わりすぎず、かといってまったく関係を持たないということでもない中庸がいいのでしょうね。
この地球上に人間として存在しているということはなにかの意味があるのでしょうから。