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【中学生に絶対読んで欲しい】戦争がテーマのおすすめ本3選

アーサー王ここに眠る戦争は一体何をもたらすのか。その本質、原動は何か。

今回はぜひとも中学生、小学校高学年に読んで欲しい、戦争がテーマの本を3冊紹介します。

 

『父さんの手紙はぜんぶおぼえた』

父さんの手紙はぜんぶおぼえた

T ・シェム=トヴ

 まず第一に印象に残るのが表紙にレイアウトされた絵手紙の数々です。カラフルで可愛いですね。オランダ語がわからなくてもユーモアと愛情に満ちたものだと見てとれます。ところがこれをもらった娘はこんなに素敵な手紙を読んだら、すぐに手放さなければならなかったのです。それはどうしてかというとナチスドイツの侵攻と関係があるといえばお分かりでしょう。
 この物語は奇跡的に残った手紙と、実在する履歴への取材を元に、著者が著したドキュメント物語です。狂気に満ちた戦争に巻き込まれる人々、その中で良心を忘れず自他の命を守った人々がいたことも、私たちは知り、伝えていかなければなりません。
 

『光のうつしえ』

光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

朽木祥

 この作品に登場する中学生たちはいわゆる「被爆二世」と呼ばれる人々です。広島の原爆に直面した人々の子供達に当たる世代です。つまり今から40年以上も前の中学生が主人公というちょっと不思議な設定ですが、作者自身がこの世代であるからということ以上に、「被爆二世」を作品の中心に据えたことには大きな意味があるのです。
 物語を紡ぐという行為、戦争の記憶を聴き語り継ぐという行為、それは直接経験しなくても人は共感できるのかという問いかけでもあります。被害体験も加害体験もくぐらずにともに苦しみ未来への警告を失わずにいられるのかという問いかけでもあるのです。戦争を直接経験していない「被爆二世」たちの挑戦は今の読者へと問われているのです。
 戦争というものがなんだか身近に感じられる現代にこそ、学生のみんなに読んでほしいおすすめの本です 。


『ハルムスの世界』

ハルムスの世界

D・ ハルムス

 この本の中では人は平気で殴り、殴られたら殴り返します。人はいとも簡単に死に、誰もそのことを悲しみません。なぜ殴るのか、なぜ死ぬのか、その理由はどこにもありません。必然性もないのです。
 私たち日本人にとってはコントのようにしか思えない出来事が、もっとひどい形で日常茶飯時だった社会で言論弾圧される存在を、闇に葬られペレストロイカ以降に再発見されたハルムスがどんな思いでこの作品集に収められている物語を書き続けていたか。それを想像すると笑い泣きしたくなるし、周囲の人々による密告や秘密警察の訪問に怯えながらナンセンスギャグを生み出せた精神力を思えば、自然と頭が垂れてくるというものですね。ハルムスの世界を無邪気に笑える人はもう日本にはいないはずです。
 社会人になってしまうと日々の忙しさにかまけて、歴史や戦争という問題とは離れてしまうもの。そんな大人にも読んでほしい本です。

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