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【月曜日の友達】漫画「月曜日の友達」の魅力を登場人物とあらすじで全巻ネタバレ紹介!

 

『月曜日の友達』について

 

[まとめ買い] 月曜日の友達

「ビックコミックスピリッツ」で約半年間連載

『月曜日の友達』は「ビックコミックスピリッツ」にて2017年5月22日から12月11日までの約半年間連載されていたとても短い作品です。

決して打ち切りではないしっかり完結した作品

しかし、決して打ち切りではないしっかり完結した作品であり、このマンガがすごい!2018 オトコ編で第4位を取るなどその実力が折り紙付きの作品です。

苦悩と青春と純粋すぎる愛の物語

ちょうど中学生の時に誰もが抱えて悩む大人になれないという不安の中で懸命に生きるすべを模索する二人の中学生の苦悩や不安を独特のセリフや表現で表している作者の阿部共美先生の魅力がつまりに詰まった作品です。

中学生のころを振り返りながら、あるいはその苦悩の真っただ中にいる人たちにとってもお勧めできる、苦悩と青春と純粋すぎる愛の物語です。

 


漫画『月曜日の友達』あらすじ

 

[まとめ買い] 月曜日の友達

主人公は田舎町に住む女子中学生

主人公、水谷茜は今年の春から中学生になった海沿いの田舎町に住む女の子です。彼女は玉遊びなど体を動かすのが好きで動物好きで団体競技が嫌いで独特の感性など少し変わった特徴を持っています。

しかし、中学生になった周りの子たちはおしゃれや恋愛番組に夢中で彼女の好きな野球に付き合ってくれなくなり、いじめられている子を助けようとすると自分の心配をするようにたしなめられます。

文武両道の姉に劣等感

周囲とのずれを意識して生き辛さを感じるようになった水谷にさらに追い打ちをかけるように文武両道で成績もよく、スポーツもできて何かと比べられ劣等感を植え付けられる高校の寮に入っている姉が月曜日に帰ってくるようになりました。

ある日、家を飛び出し学校へ

生き辛さを感じる学校が始まり、姉が家に帰ってきて家にも居場所がなくなる月曜日の夜、彼女はたまらず家を飛び出し学校に行きつきました。

そこにはクラスの変わり者が超能力の練習

するとそこにはいじめられているクラスの変わり者月野透が校庭に机とボールを出して超能力の練習をしていたのでした。

彼の子供っぽさに共感を覚えた茜は彼の誘いに乗って月曜日の夜だけ、学校でだけ、二人だけの秘密の友達になったのです。

 

「月曜日の友達」の登場人物について

 

[まとめ買い] 月曜日の友達

中学生の苦悩を体現する主人公【水谷茜】

表現力に富んだ女の子

 本作主人公水谷茜は中学生とは思えないほど表現力に富んだ女の子です。大人顔負けの表現で日々の生活やその苦悩を表現して読者にそのもやもやを言葉にして伝えてくれます。

正義感が強くいじめに立ち向かう強さ

正義感が強くいじめに立ち向かう強さを持ち合わせていますが、同時に疎外感や劣等感にさいなまれてしまう弱さも持ち合わせている等身大で平凡な人間らしい側面も持ち合わせています。

前述した通り、自身の独特な感性などが普通の中学生の女の子としてのそれとはずれがあり、特に友達と仲が悪いわけではないのですが、そこに生き辛さを感じています。

自分の気持ちを正直

自分の気持ちを正直すぎるくらいに表現できる人物で、正義感も強く興味があるものにはすぐ飛びついてしまうので友達の土森や月野にたしなめられる時もあります。

月野と関わるようになってからも月野をいじめる火木にゲームを返すように抗議したり、自分の思うままに行動し突き進んでいきます。

動のキャラクター性

悩める中学生らしい直球の感情と迷わず突き進んでしまえる若さとやった後に後悔してしまう繊細さを持ち合わせた動のキャラクター性を持っています。

 

苦悩するもう一人の主人公【月野透】

水谷茜の月曜日の友達

 月野透は水谷茜の月曜日の友達であり、もう一人の主人公といっても過言ではない重要人物です。

夜の校庭のグランドで超能力の開発

彼は6年生の時に一度だけ起こせた超能力を目覚めさせて、孤独ではなく孤高の特別な存在になりたくて田舎で警備が甘い夜の校庭のグランドで超能力の開発をしていました。

物静かで大人しい性格

なぜ月曜日の夜に校庭にいるかというと月曜日は離婚して出て行った父親が帰ってきて、貧乏な自分の家庭にプレゼントなどを持ってきて弟や妹の心を奪ってしまい、自分が無価値に感じられて彼もまた月曜日の夜に家にいるのが耐えられないからなのでした。

水谷とは打って変わって透は物静かで大人しい性格です。

そこと変人であることが災いして友達が茜と友達になるまで一人もいなく、昼間の学校ではいじめられています。

月野はいじめられてやり返せない、抵抗できない自分を男のくせに情けないと自分は子供だと嘆き苦しんでいます。

月曜日の夜の水谷の前では超能力を使おうとしてハイテンションになり、弟や妹の前ではしっかりお兄さんをやろうと努めて弱さを見せないように努力しています。

水谷には特別な感情

実は水谷には月曜日の友達になる前から特別な感情を持っており、いじめられ、特技もない、おっちょこちょいで情けない自分を変えて彼女に振り向いてもらうために超能力の研究をしています。

この物語の中で重要度がとても高い超能力とその現象の解明に最も尽力する人物です。

水谷とはまた違う形ではありますが、彼もまた悩める中学生を体現したキャラクターです。

 

いじめの主犯格であり隠れた悩める子供でもある【火木香】

兄の威を借りて不良たちを従える

 背中まである長い髪、NYと描かれたヤンキースのパチモンキャップが特徴的な女の子です。

兄がとても有名な不良で本人はそれほど力はないのですが、兄の威を借りて不良たちを従えています。

月野にとても興味を持っており、不良たちと一緒に彼をいじめてジュースを奢らせて、月野が本を借りる代わりに水谷に貸すはずだったゲームを貸してくれと奪い去ってしまいます。

彼女もまた幽霊を信じる大人になりきれない子供の一人で最初は不良たちを従えていて仲間外れにならずに済むのですが、不良の兄が事故で死んでいることが不良たちにばれて二学期からは一人になって月野にかまってもらうためにいじめるようになります。

粗暴で不器用

しかし、本人は粗暴で不器用なだけで本当に月野に興味があるだけだったので水谷にゲームを返すように抗議されると素直に月野にゲームを返したのでした。

このことに月野は気づいていたのですが、水谷は気づかず月野に断りを入れずに月曜日の夜のことを彼女に伝えてしまい、そのことが月野と水谷の関係に大きな溝を生んでしまいます。

兄の幽霊を探している

不良といえど自分には優しかった兄にとても思い入れがあり兄を侮辱することが許せず、死んでしまった兄に対しての後悔などの思いが募っており、兄に今の気持ちを伝えるために兄の幽霊を探しています。

この物語は大人になりたい子供出る水谷と月野のお話がメインなのですが、彼女もまた二人と違う側面を持った大人になりきれない悩める子供として重要なキャラクターです。


水谷の大人な友達【土森緑】

水谷の友達の女の子

 長い黒髪が特徴的な小学生のころからの水谷の友達の女の子です。

水谷、月野、火木などのキャラクターたちとは違い、中学校に適応して自身を変え、おしゃれもでき、部活に入り、男の子とも遊びに行け、恋愛話にも加われる普通の中学生女子として描かれます。

彼女に悪気は一切ないのですが、水谷は彼女と自分を比べて自信を普通の大人になれない存在だと感じています。

水谷の感情の変化を注意深く観察している

月曜日の夜の関係や物語の中心にはあまり登場しないのですが、友達である水谷の感情の変化を注意深く観察しているようで彼女が月野と月曜日の友達を解消してしまった時には真っ先に二人の関係に気付いて、水谷を呼び出し、自身の大人になることに対する考えを述べて彼女を月野と仲直りするように説得したのでした。

そのシーンこそが彼女のキャラクター性が最も出ている場所であり、一見悩みなく大人をふるまえているように見える彼女の中でも様々な葛藤や悩みがあり、それを乗り越え自分なりの回答を得たからからこそ彼女もまたそのようにふるまえていたのだということがその場面から垣間見えます。

一見モブ的立ち位置のキャラクターのように見せかけて彼女の存在もまたこの物語のとても重要なキャラクターです。

 

『月曜日の友達』の全2巻の感想


水谷と月野の出会いを描く『月曜日の友達』第1巻

 

 第1巻では前述した周囲とのずれの影響から受ける水谷の苦悩が描かれ、いじめられている変人月野と出会いとの月曜日の夜だけ会うという二人の約束と交流していくうちにお互いの苦悩を分かち合い、認め合い、子供のように遊びことで深まっていく二人の子供の仲のいい様子が描かれます。

二人が友達になり、夏休みは会えないからと一度だけ月野の弟たちを交えて遊びに行く様子は影と光を使った独特の表現がされており、とてもきれいで青春を感じさせてくれます。

プールでの水の表現や花火などこの物語の明るい部分がふんだんに描かれている巻です。

 

解消されてしまう二人の関係と超能力の謎、激動の第2巻

 

 落ちた場所から徐々に這い上がるように光が見えてくる1巻とは違い、2巻の物語は上がり下がりやどんでん返しのある物語になっています。

火木はひとりぼっちで月野に絡むように

2学期に入ったところから物語はスタートし、不良たちとつるまなくなった火木はひとりぼっちで月野に絡むようになります。

水谷は月野のゲームを火木に返してもらうために月曜日の関係を火木に教えてしまい、月曜日の友達を月野に解消されてしまいます。

火木も普通に月野と仲良くなるようになり、不良に絡まれなくなったことで月野も他の女子に話しかけられるようになるのですが、火木のことを勘違いしていたことなどの負い目から胸が苦しく、月野との月曜日がない日々に無力感を覚えているのですが、どうしても月野に話しかけられずにいました。

 

数々の現象の謎が明らかになる

そんな様子を察した土森に講演で説得され、月野と仲直りしようと試みたところ彼も同じ気持ちだったようで教室で仲直りを果たし、二人は晴れて月曜日以外でも友達になれたのでした。

火木とも仲良くなり、3人ともクラスに溶け込めて問題としてはめでたしめでたしなのですが、火木が月野にゲームを返した時、ゲームが宙に浮き、水谷が土森の説得されたときにキラキラ光る物体が宙に舞うなど作者の漫画的表現だと思われていた数々の現象が実は思春期の子供たちが多く通う場所で特定の時間(月曜日の夜)に子供たち同士の体の接触によっておこる超能力の仕業で実際に彼らの世界で起こっていた出来事であることが判明します。

 

超能力を起こすために月曜日の夜の学校へ

そこで水谷と月野は火木の協力を得てもう一度超能力を起こすために月曜日の夜の学校に集まります。

警備が厳しくなっていたので先生に追われたのですが、何とか二人はグランドにたどり着き、超能力を起こそうとするのですが、月野がそのカギとなると考えていたゲーム機を忘れてしまい、失敗しそうになります。

しかし水谷がゲームを忘れて自分は特別になれないと落ち込んでいる月野にお前はもう私の特別だと慰めて手を差し伸べた時、超能力が発動して二人は宙に浮きます。

超能力で浮いて空の上で特別を得て自信を取り戻した二人は夢を語り合い、自身の月曜日の夜の問題に向き合い大人になることを決意します。

この場面では月野の純粋すぎる子供らしい恋心など二人の気持ちがギュッと詰まっています。

ここまで物語を真剣に読んできた人にとっては号泣必死の感動のフィナーレです。

 

さいごに

 感動と素敵な表現とともに大人になった子供たちに子供の時の大事な何かを教えてくれる隠れた名作『月曜日の友達』。ぜひ皆さんもご一読ください。

 

[まとめ買い] 月曜日の友達

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