どこまでも真っ白で汚れのない雪。ふわふわと降り積もるやわらかな雪。しんしんと冷えた空気の中で目の前に広がる雪景色。春がくると溶ける儚さ。私たち日本人にとって、雪は文学的な印象があります。今回は雪がテーマの本をご紹介いたします。
「雪国」
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(角川文庫) 川端 康成・作
「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」という書き出しが有名な本。雪国への電車での一人旅の情景や美しい文章、不倫小説とは思えない純文学ゆえの高貴さも漂い、淡く溶ける雪のような儚さも感じられます。日本語の美しさが味わえる一冊です。
「雪は天からの手紙―中谷宇吉郎エッセイ集 」
(岩波少年文庫) 中谷 宇吉郎・作
寺田寅彦の弟子であり、雪氷学を確立した著者のエッセイ。日常のそばにある平凡な世界から不思議を感じる好奇心の多さや、当たり前といわれてきた科学や偉人にも疑問をもつ柔軟さは大人が読んでもはっとさせられます。理系がニガテという方にもおすすめの一冊です。
「はなさかうさぎのポッポ うれしいゆきのひ」
はなさかうさぎのポッポ うれしいゆきのひ (ポッポのえほん)
(ポッポのえほん) はまち ゆりこ・作
花を咲かせることお仕事をしている新米うさぎのぽっぽ。シリーズ絵本の一作です。わたゆきまつりの日、雪の花を咲かせるのに大忙しのぽっぽは、森のはずれで年をとった大きな木と出会います。花も咲かなくなり、訪ねてくるともだちもいなくなった木を元気づけようとぽっぽは考えます。ほんわかした愛らしい絵とともに、心もぽっと温まる絵本です。
「雪の写真家ベントレー」
ブリッグズ マーティン ジャクリーン・作
アメリカの雪の村に生まれ、雪に魅せられた少年ベントレーの伝記絵本。版画の絵が味わい深く印象的です。雪の美しさを多くの人に伝えたいと雪の結晶の写真を撮りつづけたベントレー。一生をかけて撮り続けた雪の写真集が出版された一か月後、吹雪の中10キロも歩き続け、肺炎で亡くなったそうですが、その雪の美しさは現代まで伝わっています。
小説、エッセイ、絵本まで雪がテーマの本を紹介いたしました。あなたの好きな雪はどんな雪でしょうか?あたたかい部屋で雪に想いをはせるのも、また情緒があります。