しんしんと降り積もる真っ白な雪。汚れのない美しさはまるで純粋な子どもの心のよう。寒い季節だからこそいっそう白が引き立つ雪景色。太陽もいつもより一層深く輝きます。
子供のころ、雪が降ると寒さなんて感じずにずっと雪を眺めていたり、雪あそびをしたりした方は多いのではないでしょうか。冬だからこその一瞬の純白の美しさは大人になってもずっと心に残っています。今回は雪の魅力がたくさんつまった絵本を紹介いたします。寒い季節に手にとってみてください。
おかしなゆきふしぎなこおり
片平 孝(著) (ポプラ社)
雪と氷のいろんな表情がみれる写真集。屋根に積もった雪、池にできる氷の不思議な模様。ユニークな形の雪や氷、雪の上を歩くときにざくざくとする音。子どものころのワクワク感がよみがえってくる風景の数々。科学絵本なので固体から液体、そして気体になるなどの解説があり、理科に興味があるお子さまにもおすすめです。
スノーマン
レイモンド ブリッグズ(著) (竹書房)
クリスマスの夜、少年がつくったゆきだるまが動き出しました。一夜限りの秘密の友情。空を二人で飛ぶシーンのイラストは有名でご存知の方も多いのではないでしょうか。色鉛筆タッチの優しい色彩で描かれた文字のない絵本。ラストシーンは切なくなりますが何度読んでも素敵なおはなしです。映画化もされているので合わせてご覧ください。
てぶくろ
エウゲーニー・M・ラチョフ(イラスト) (福音館書店)
雪が降り積もる森のなか。おじいさんが落とした手袋に動物たちがどんどん入っていきます。あったかい、あったかい、ぼくもいれて。どんどん大きくなっていくてぶくろ、むくむく大きくなっていくてぶくろの様子が楽しい絵本。ウクライナの民話をベースに作られたロングセラー絵本です。落ち着いたシックな色合いのイラストに雪景色の白が印象的です。
宮沢賢治の絵本 雪わたり
雪わたり (大人になっても忘れたくないいもとようこ名作絵本)
宮沢 賢治(著) (三起商行)
北国の冬の森。十五夜の夜、幼い兄妹がこぎつねに連れられて幻灯会へ。月明りと雪明りに灯された不思議な夜を方緒良さんが描いたモノクロのイラストで堪能できます。どこか懐かしいふるさとの安らぎと静けさに満ちた絵本。リズムカルな文章が心に響きます。
雪国育ちで雪を見慣れている方はもちろん、雪とは縁がなく冬はあっという間に過ぎてしまうという方にも手にとってほしい絵本です。ロマンチックでじんわり温かい気持ちになれます。