南国や、雪の降らない地域で生活している人々にとって、雪国の生活というものはなかなか想像がつかないものです。
そんな雪国でたくましく暮らす人達の暮らしぶりを描いた本を紹介します。
『12種類の氷』
著・エレン・ブライアン・オベッド
雪が降ってきたら、リンクの水を作ります。ブーツの底でを踏みつけ、家族みんなで雪を固めます。お父さんが、ホースで水を撒きます。じきに、リンクー面が氷になります。何日も作業して、ようやくリンクが完成します。たて30メートル、横15メートルのアイスリンク。その名もブライアンガーデンズ。さあ、冬のスポーツシーズンのはじまりです。
女子はフィギュアスケートを、男子はアイスホッケーをしに、友だちがおおぜい集まってきます。
冬の到来から雪解けの季節まで、繊細に変化する12種類の氷の表情を、美しいイラストと詩的な文章で綴る、中高生にもオススメしたい1冊です。
『雪のおしろへいったウッレ』
著・エルサ・ベスコフ
待ちに待った雪が降りました。ウッレは、誕生日にもらったスキーをはくと、ひとりで森へでかけていきました。森は、まるで冬の王さまの魔法のお城のようにきれいです。
ウッレが「ありがとう、やさしい冬王さま。やっときてくださったんですね!」と大きな声でよびかけると、きらきら白く輝くおじいさんがあらわれました。
それは、霜じいさんでした。じいさんは、ウッレを冬王さまのおしろに連れていってやろうといいました。
厳しい冬の到来と雪や氷で遊ぶ子どもたちのよろこびを描いた美しい絵本です。
『かくまきの歌』
著・杉みき子
おとうさんのふるさとはどこですか?おかあさんのふるさとに行ったことがありますか?この本の作者のふるさとは新潟で、この本は新潟を舞台にした短編集です。でも、新潟に行ったことのない人にとっても、なぜかとてもなつかしい感じがします。
ちゃ子のおばあさんが使っていた「かくまき」は、おばあさんのあとにおかあさんが着て、今では、ねえさんもときどき着ています。オーバーがぬれてしまって、かくまきを借りたちゃ子は、みんなの匂いに包まれるのです。
雪国の暮らしや自然がすなおに描かれて、しっとりと心にしみる短編集です。
寒い地域で生活をするということは、想像以上に大変なことでしょう。
でもそれを補って余りある楽しみ、喜びというものがあることを、本を読むことで知ることができますよ。