かよわく儚げ、守ってあげたいタイプの女性も良いけれど、活発で困難に立ち向かっていくたくましい女性が好きという方もいらっしゃいます。肝っ玉母さんなんて言葉もある通り、本来女性はたくましく強い存在なのかもしれません。
今回は、たくましい女性が登場する西洋小説を紹介いたします。ディズニープリンセスでいうと「アラジン」のジャスミンのようなキャラの女性が好きな方におすすめです。
シャクンタラー姫
カーリダーサ(著) (岩波文庫)
サンスクリット文学の古典的戯曲。歌舞伎やオペラなどの総合芸術としてインドでも定番の作品です。シャクンタラー姫とドゥフシャンタ王の出会い、記憶喪失、再会、ラストは大円団へと向かいます。キーワードとなる指輪、ドゥフシャンタ王の記憶喪失にショックを受けながらもあきらめないシャクンタラー姫。ラブストーリーの王道ともいえるストーリーですが、ヒロインの積極性がいじらしく涙と感動を誘います。巻末にサンスクリット劇の解説が収録されていますので、こちらから読んで本編へと読み進めるとより華やかな舞台を想像できると思います。
彫刻家の娘
トーベ・ヤンソン(著) (講談社)
ムーミンシリーズで有名な著者の自伝的小説。事件や事故も冒険に変えて楽しめる強さをもった幼少期。大好きな家族と自然や動物への愛、物を書くことの幸せ。フィンランドの長い冬をありったけの好奇心をもって過ごし、作家になるという夢を実現させたヤンソンさんの心の強さを感じさせられます。ムーミンシリーズのファンの方はもちろん、自分の感性に素直に生き続けている人におすすめの一冊です。
マハーバーラタ ナラ王物語―ダマヤンティー姫の数奇な生涯
マハーバーラタ ナラ王物語―ダマヤンティー姫の数奇な生涯 (岩波文庫)
鎧 淳(翻訳) (岩波文庫)
古代インドの長篇叙事詩「マハーバーラタ」のなかでも一番切ないお話といわれている物語。
美しいナラ王とダマヤンティー姫は、賭博という魔王の呪いによって国を失ってしまい離れ離れになってしまいます。様々な困難にあいながらも、放浪するナラ王を探し出し、国を取り戻すという物語。受け身的な王とは正反対に、王への一途な愛情から知恵をふりしぼって運命に立ち向かうダマヤンティー姫のたくましい行動力。古代インド思想も味わえる一冊です。
現代では女性の社会的地位が上がったことからか、夫が三歩下がってついてくるようなカップルもよく見かけます。
強くたくましい女性像は現代的でもあり、昔の人から見ると憧れの象徴だったのかもしれません。