人を笑わせることが職業のお笑い芸人。頭の回転が早く、文章力が高い人が多い印象はありませんか?実際、芸人の中には小説家やエッセイストとして活躍している人も少なくありません。
今回はその中から、マイペースに自らのお笑い道を歩み続けている女芸人が上梓したおすすめエッセイ本を三冊ご紹介します。
「あぁ、だから一人はいやなんだ」
一冊目は「あぁ、だから一人はいやなんだ」(いとうあさこ著)。数多くのレギュラー番組を持つ人気芸人、いとうあさこさん。彼女が上梓したこちらのエッセイ本からも、TVから受ける印象と同様に、おおらかでざっくばらんな温かい人柄がよく伝わってきます。
少し悲しげなタイトルとは裏腹に、自らの生活とお酒をこよなく愛し、楽しみながら仕事をこなす様子が自らの筆で生き生きと描かれています。『今日の乾杯』と称して、一つ一つのエッセイに当時飲んだお酒とおつまみが紹介されているのも印象的。お酒好きの方にはもちろん、肩肘はらずにリラックスして読書を楽しみたい時におすすめの一冊です。
「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」
二冊目は「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」(阿佐ヶ谷姉妹著)。惜しまれつつ終了したTV番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』の大人気コーナー“細かすぎて伝わらないモノマネ選手権”で【玄関を開けたらいる人】など、数々の絶妙なネタを披露してブレイクした阿佐ヶ谷姉妹。
実は叶姉妹と同じくビジネス姉妹(血の繋がりはないコンビ)であることはご存知ですか?それもつい最近まで実際に阿佐ヶ谷で二人暮らしをしていた彼女たちの、実に味わい深いエッセイ本がこちらです。派手な話題は見当たりませんが、その淡々とした日常を確かな筆致で読ませる文章力の高さはお見事。彼女たちを知らない方が読んでも、この本を読み終わる頃には、まるでご近所に住む友達かのように身近に感じてしまうかもしれません。
ぜひ一度手に取って読んでみてください。
「ハタからみると、凪日記」
三冊目は「ハタからみると、凪日記」(光浦靖子著)。芸人きっての読書家としても知られる著者。
優れた頭脳を伺わせる高い文章力で、多くの著作を上梓しています。こちらのエッセイ本は、新聞に月一回連載していたエッセイをまとめたもの。著者の独特のユーモアと哲学で選ばれた話題からは、素直でまっすぐな視線もよく伝わってきます。
そしてこちらの本には、惜しまれつつ終了したTV番組『めちゃめちゃイケてる』について触れたエッセイも収録されていますので、著者のファンはもちろん、番組のファンもぜひご一読を。番組終了当時の心境、著者の番組への想いが包み隠さず綴られており、思わず胸が熱くなりますよ。
以上が、私がおすすめする女芸人が上梓したエッセイ本です。どの本もテンポが良く、すらすらと読み進めることができる上に、クスッと笑えて気分転換になる本ばかりです。
仕事や勉強の合間の休憩に、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。