芸術の分野である絵画・音楽・文学・・・このどれもにジャンルレスに取り組んでいる有名アーティストは、実は数多く存在します。
今回注目したいのは、音楽のプロである有名ミュージシャンが、ジャンルを飛び越えて自ら上梓した“絵本”です。どの絵本も、音楽家ならではの繊細で鋭敏な感覚で創られた絵本ばかり。ちょっとアーティスティックな絵本を読みたい時、知人のお子さんにプレゼントしたい時…これらの本を手に取ってみてはいかがでしょうか!?
アイスクリームが溶けてしまう前に
アイスクリームが溶けてしまう前に (家族のハロウィーンのための連作) (福音館の単行本)
一冊目は「アイスクリームが溶けてしまう前に(家族のハロウィーンのための連作)」(小沢健二と日本恐怖学会著)。ヒット曲「ラブリー」「今夜はブギーバック」などで広く知られ、かつては“渋谷系の王子”とも呼ばれていた著者。長い活動休止を経た現在は二児の父となり、精力的に音楽活動を展開しています。
その傍らで出版されたこちらの絵本は、妻でありジャーナリストであるエリザベス・コールもメンバーに含めた『日本恐怖学会』との共著です。全てがハロウィーンにまつわるハロウィーン尽くしのこの一冊。なんと著者とエリザベス、さらに2人の息子のお揃いの仮装姿が、家族写真として収録されている豪華さなんです!この手作り感あふれる、アットホームな一冊をぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?読み終わったあなたは思わず“チュリッカ・チュリー!”と叫んでしまうはず!
南の島の星の砂
二冊目は「南の島の星の砂」(Cocco著)。ミュージシャン、ダンサー、女優として多岐に渡って活躍し、プライベートは一児の母である著者。実はかつて2001年から2006年まで、活動を休止していた時期がありました。
こちらの絵本は、まさに休止まっただ中の2002年に出版された貴重な一冊です。デビュー当時から自身でCD装画を手掛けていた著者の幻想的なイラストと、独創的な美しいストーリーが圧倒的な一冊です。この後、見事な復活を遂げることとなる著者の“表現者としての業”すら感じさせる、強烈なパワーを持った絵本です。ぜひ一度、実際に手に取ってみてはいかがでしょうか。
ねむとココロ
三冊目は「ねむとココロ」(木村カエラ著)。モデル活動、人気TV番組SakusakuのメインMCを経て、ミュージシャンとしてデビューして以来、現在まで第一線で活躍する著者。プライベートでは二児の母となり、自らのInstgramアカウントでさまざまな手づくり作品を紹介するなど、アットホームな一面を覗かせています。
そんな彼女が2018年に刊行したこちらの絵本は、発売されるや否や大ヒット!“自分が自分らしくいられるように”という、実に著者らしい心温まるメッセージが強く伝わってきます。昔から絵本を出版するのが夢だった、という著者渾身の一冊を、ぜひこの機会に手に取ってみて下さい!
以上が、私がおすすめしたい「ミュージシャンが刊行した絵本」です。どれもお子さんがいるミュージシャンならではの絵本かもしれません。この絵本をきっかけに、それぞれの著者の音楽もまた、チェックしてみるのもまた楽しくておすすめですよ!11:50