読んでいると、我々が「常識だ」と考えていることを根底から覆されるような本。
今回はベストセラーとなった「サピエンス全史」についてご紹介させていただきたいと思います。
社会人や大学生、高校生の方への教養の1つとしてもおすすめできる本だと考えています
どんな本か
人類は約200万年頃から存在していますが、我々の人種であるサピエンスが生まれたのは 7万年前からで、そこから他の人種を全て駆逐して現在地球上の人類はサピエンス以外に存在しません。
なぜ他の人種を駆逐することができたのか?
例えば同時期を過ごしたと思われている人種、ネアンデルタール人は野蛮な民族と言われていましたが、研究の結果、実はそうではなく、体が大きく力も強く知識も知恵もあったと言われています。
一つの理由
その1つとして葬式を執り行っていたことが挙げられています。
では、「なぜサピエンスがネアンデルタール人をこの世から抹殺することとなった」のか?
それは集団で効率よく行動するべくして考え出した虚構を信じる力を使って一人ひとりの協力を可能にしたと著者は言っています。例えば宗教や神の存在を信じることによって1人の力では動かせないような数の人間を、さらには国家と言う規模でも虚構を信じることによって動かすことができるというのです。
これは昔の話ではなく現在にも通じることで、例えば会社組織は人を作り出した虚構であると著者は言います。現在は会社と言うその存在を誰も疑いません。
それに寄り添って、さらにはいい会社に入るために子供の頃から努力します。むしろ疑ってしまったら自分自身が病院に入れられる羽目になる。それくらい虚構を信じる力は我々の社会を強く結びつけているのです。さらに著者はサピエンスの他の生物に対する危険性についても我々に語りかけてきます。
例えば各大陸にいた大型哺乳類などはサピエンスが移動してきたと同時期に、この地球上から絶滅と言う形で姿を消しています。
大型の哺乳類の絶滅については気候変動など、いろいろな説がありますが1番可能性があると思われているのはサピエンス自体は絶滅に追い込んでしまったと言うことです。
「なぜ」が尽きない
なぜアフリカにいる大型の哺乳類は今も生きのびているのにアメリカ大陸やオーストラリア大陸ユーラシア大陸にいた哺乳類が絶滅したかという問いに、アメリカ大陸にいた哺乳類は人類と共に生きていたために、その危険性を理解しており逃げたり戦ったりすることで生き延びてきましたが、他の大陸にいる大型の哺乳類は突然の人類の登場に何も対策を取ることができず、ただただ殺されるがままだったという説なのです。
興味のある方は是非ご覧になっていただきたいです。