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【匂い 記憶 思い出す】匂いを感じる本、おすすめ本3選【プルースト効果】

 読書好きの方なら「プルースト効果」という言葉を聞いたことがあると思います。名作「失われたときを求めて」のなかで、香りとともに幼少期の思い出を思い出すというシーンから香りと脳は強いつながりがあり、人間の本能的な行動や記憶と強く結びついているということが現代科学でも証明されました。

いいにおいを嗅ぐとリラックスをし、好きな人の香りは愛おしく感じる。そんな香りの不思議な力を感じる本を紹介いたします。

 

〈香り〉はなぜ脳に効くのか アロマセラピーと先端医療

 

〈香り〉はなぜ脳に効くのか アロマセラピーと先端医療 (NHK出版新書)

 塩田 清二(著) (NHK出版新書) 
 においの科学的メカニズムは未だ解明されておらず、代替補完医療として認知症の緩和や痛みのケアに使用されていることもあるそうです。においと脳の関係、においと人間の歴史、精油についてなど科学的な視点から語られています。精油は知識がないと逆効果の使い方をしてしまうこともあるそうなので、アロマテラピーに関心がある方は最初に手にとっていただきたい本です。

 

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)

 石井 好子(著) (河出文庫) 
 1950年代、シャンソン歌手の著者は留学先のパリの下宿でマダムが作ったオムレツを味わう。ネギのスープ、ヴィシソワーズ、ブイヤベース、ポトフ、おいしいスパゲッティ。当時の日本では珍しかった西洋料理がレシピつきで紹介されています。レストランで味わう料理もおいしいですが、大好きな人たちと一緒に作って味わう時間も素敵なひととき。おいしそうなバターの香りが漂う料理エッセイです。

 

香水―ある人殺しの物語

香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

パトリック ジュースキント(著) (文春文庫) 

 18世紀のパリ。嗅覚が異常に優れている調香師のグルヌイユ。処女のにおいを求めて殺人を繰り返していくというミステリー作品だが、においを愛するがゆえに道徳すら省みない狂人的な一面とにおいに救われるラストシーンは「ファウスト」の悪魔に魂を売ったような衝撃を受けます。善悪ではなく、何かにとりつけられたような錯覚、文章でにおいを感じることのできる世界的ベストセラー。ドイツ人作家らしい厳格な文章が格調高く感じられます。

 

 文章でにおいを感じるという不思議な体験。おいしそうなにおいを想像するとおなかがぐぅと鳴ってきます。いろんな香りの世界へ旅することができる本です。

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