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赤江爆さんのおすすめ本3選

美しい世界に浸れる赤江爆の本

 熱狂的ファンが多い赤江瀑さん。美輪明宏さんや瀬戸内寂聴さんも赤江さんの作品が好きだそうです。
 日本大学芸術学部演劇科に入学し放送作家を経て作家になったとのこと。その経験からか芸術方面の知識に非常に詳しい方で、格式高い美しい日本語に触れているとまるで満開の桜の木の下にいるかのように酔いしれてしまいます。
 耽美で背徳的。情念と官能の世界観は中毒性があり一度手に取るとはまりこんでしまいます。
 数々の文学賞を受賞されており、谷崎潤一郎や泉鏡花に例えられることも。
 今の流行がライトな読み心地の作品がメインなだけあり、赤江さんは知る人ぞ知る作家となっていましたが、2012年に亡くなられたことからペーパーブックや文庫で復刊されている作品もあります。
 幻想文学が好きな方、美しい世界に浸りたい方はこの機会に是非手に取ってくださいね。

 

罪喰い

罪喰い (P+D BOOKS)

 赤江 瀑 (著) (小学館)
 直木賞候補となった表題作のミステリー作品を皮切りに、歌舞伎をテーマにした「獣林寺妖変」と「赤姫」のほか、造園・バレエ・サーカスを扱った「ライオンの中庭」「赤姫」「サーカスの花鎮」と初期の傑作短編6編が収録されています。
 いづれの作品も登場人物が芸術の奥の「魔」に魅せられて狂っていく様子が格式高い上品な日本語で綴られており、耽美な夢の世界を漂っているよう。
 赤江作品のなかでも比較的読みやすい作品なので、幻想文学を初めて読む方にもおすすめです。

 

オイディプスの刃

オイディプスの刃 (河出文庫)

 赤江 瀑 (著) (角川春樹事務所)
 由緒ある妖刀オイディプスの刃「次吉」を主軸に、複雑な血縁関係や近親相姦、同性愛、調香をモチーフに繰り広げられる耽美ミステリー。
 推理小説としても一級品の妖しさと華やかさが咲き乱れる作風。読み手を引き込んで離さない中毒性のある悲劇。
 「忘れられない小説」と評判の声も高く映画化もされました。香りが身にまとわりついて離れない第1回角川小説賞受賞作品です。

 

花夜叉殺し

花夜叉殺し (光文社文庫)

 赤江 瀑 (著) (光文社)
 現実世界にある人間の狂気を描いた短編10作が収録されています。ほの暗いストーリーのなかで漂う花の香、血の匂い。生々しく艶めかしく、情念が揺れ動く作風、情景が目に浮かんで眩暈がしそうになるほどの美しさです。
 文庫版の短編集のなかでも日本の伝統文化を色濃く残した作品がセレクトされています。時代小説が好きな方や三島由紀夫が好きな方はハマる世界観だと思います。
 
 良い意味で消化不良、漂い続ける魂の情念や郷愁に胸が苦しくなる作品ばかり。耽美文学の骨頂ともいえる赤江獏さんの作品を多くの人に楽しんでもらいたいです。

 

 

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