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【願いが叶う 本】「願い」がテーマのおすすめ本。強く願えば願望は叶う。でもその先にあるものは。

ファンタジー小説を読みたいときって、なにか現状に満たされて亡くて願いごとがあるときが多くありませんか。
たぶん、子供がファンタジーものの本を読むときも、そんな気持ちがあるのかもしれません。
そんな夢の世界を旅してみたい人たちにオススメの本をご紹介します。

 

『まぼろしの小さい犬』

まぼろしの小さい犬

著・フィリパ・ピアス
ベンは、犬を飼いたくてたまりませんでした。おじいさんの家に遊びにいったとき、今度生まれる子犬を誕生日にあげようと、おじいさんは約束してくれました。
それなのに、誕生日に送られてきたのは、小さな額縁に入った犬の絵だったのです。絵の裏には、「チキチト・チワワ」と書いてありました。あまりにも大きな失望です。
でも、だれもわかってくれる人はいません。犬がほしいという願いは、日に日に大きくなり、ベンの心の中で、小さな犬のチキチトが動きだしました......。
イギリスの有名なファンタジー作家によるリアリズム作品で、子どもの内面を克明に綴る内容の深い物語です。

 

『忘れ川をこえた子どもたち』

忘れ川をこえた子どもたち (1979年)

著・マリア・グリーペ
北の国に住む貧しいガラス職人アルベルトの願いは、もっと美しい器をつくり、高く売ってお金を儲けることでした。ふたりの小さな子どもをかかえた妻のソフィアも、願いは同じです。
一方、大きな館に住むお金持ちの領主夫妻には、なにもかもが揃っていました。ところが、領主夫人は幸せではありません。どんな願いもみんな、かなえられてしまったからです。
貧しいガラス職人の夫婦と、お金持ちの領主夫妻。あまりにもかけはなれたこの両者をつなぐものは?
予言、うらない、魔法など、ふしぎな要素にみちたスウェーデンの物語です。幻想的な雰囲気の中に人間の愛憎や微妙な心理がかいま見える、深みのある作品です。

 

『丘の家、夢の家族』

丘の家、夢の家族

著・キット・ピアソン
大好きな本を読んで「夢の家族」を思い描くのが、9歳の女の子シーオのたったひとつの楽しみでした。おかあさんが夜勤でいない夜、ひとりぼっちにされても、学校で仲間はずれにされても、がまんできたのは本のおかげです。
おかあさんに邪魔にされ、おばさんに預けられることになったとき、絶望的な気持ちのシーオの前に、物語から飛び出してきたような理想の4人兄弟があらわれます。
この家族のひとりになりたいとシーオが強く願ったとき、信じられないようなことが起こりました。
1996年にカナダで出版された作品で、主人公が夢中になって読む数々の本は、どれも実在する子どもの本なのです。細部も楽しめるファンタジーで児童文学好きの人に強くおすすめします。

 

人の願いというものは、きれいな面ばかりではなくて、あるドロドロとした目を背けたくなるような一面もあります。
それでも人は現状を変えようとして願わずにいられない生き物なのですね。
そんな悲しい側面をも読み取ってほしい作品群です。

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