お月さまは神秘的。毎日毎日そこにいて、形をかえていく不思議さ。太陽のように派手に存在を主張するわけではないけど、たしかにそこにいて輝いて見守ってくれる存在。お子さまへの読み聞かせだけではなく、大人の方のベッドタイム読書に、お月見の季節にもどうぞ。
「パパ、お月さまとって!」
エリック カール・作
娘に頼まれて長い長いはしごでお月さまをとってきてくれるパパ。シンプルな仕掛け絵本で、横にしたりページを広げたりすると、部屋のなかで飛び跳ねるお月さまがリズミカルで可愛らしいです。ページをめくるたびにお月さまがおっきくなったり小さくなったり。ダイナミックな絵で月の満ち欠けに神秘を感じます。
「つきのオペラ」
(至光社国際版絵本) ジャック プレベール・作
フランス映画「天井桟敷の人々」の脚本家による作者と雑誌ELLEのイラストレーターとして活躍したジャクリーヌ・デュエムさんによる絵本。パパとママを知らない主人公の少年は眠っている間に月に行っていると話します。植物や動物と音楽に囲まれて楽しい日々を過ごします。戦争をする地球の騒がしさを訴える少年の憂いをおびた表情には胸がしめつけられそうになります。お祭りの音楽の楽譜も掲載されているので学芸会で上演したら楽しめそうだなと思います。平和について考えさせられる一冊です。
「ムーン・ジャンパー」
ジャニス メイ ユードリー・作
コルデコット賞受賞の絵本。ぼやっとした月明かり、夏の夜。センダックの繊細な水彩画を眺めているだけでも癒されます。はだしで踏みしめる芝の感触、涼しい夜の風、青白い月の光と子どもたちの夜のひみつの遊び。谷川俊太郎さんによるのびのびとした翻訳が絵本の中の世界へ導いてくれます。
「月のかがく」
えびな みつる・作
月探査機「かぐや」から撮影された月の科学絵本。月の満ち欠けやクーレター、山脈名、月に関する伝説まで分かりやすいイラストと写真が豊富に掲載されています。小学生から大人まで楽しめる絵本です。
ロマンチックで女性的なシンボルでもあるお月さま。頭をからっぽにして落ち着きたい夜にもおすすめの絵本です。きっと夜空を見上げたくなりますよ。