ヘルシーで食べてもおいしい、見て楽しいおさかな。すいすいと自由気ままに水の中を泳ぐ姿、光に反射するうろこ、ユニークな色や形。個性いっぱいのおさかなたちが登場する本を紹介いたします。おさかなが大好きなお子さん、アクアリウムや水族館が好きな方におすすめしたい絵本です。
「ペコペコざかな」
(いっしょによんで!) 菅野 由貴子・作
ヨーロッパのタイルのような鮮やかな色彩の穴があいた仕掛け絵本。いつもおなかがペコペコのさかなが、いろんなものを食べる。食べたものにより体がどんどん変わっていくという仕掛けで、マヌケ顔の生き物たちもみんなほのぼの、お気楽で楽しくなる絵本です。
「スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし」
レオ レオニ・作
教科書にも載っていた絵本。淡い色彩の透明感あふれる水彩画が、海の中でゆらゆらと動くクラゲやイソギンチャクを表現していて、まるでアクアリウムに入ったような気分に。スイミーは、大きなさかなに立ち向かうため、うんと知恵をしぼりだし、みんなと協力しあって問題に取り組みます。谷川俊太郎さんの翻訳はほんとうに優しい。「うんと考えた」というところが好きです。
「チョコレートをたべた さかな」
みやざき ひろかず・作
正方形のコロンとした大人のための絵本。毎日の生活に満足していた一匹のさかなが、ある日チョコレートのかけらを食べてしまい、一日中チョコレートのことしか考えられなくなります。そして、さかなはチョコレート好きの少年へと転生します。何かにとりつかれてしまう欲望、知らなければ幸せだったのに。それでも何かを追い求めることは悪いことではないと思います。セピア色が哀愁の世界へと導いてくれる輪廻転生のお話です。
「水のなか」というのは、重力に逆らわない自由なイメージもあり、水族館に行くとホッとします。ディズニー映画「ファインディング・ニモ」のヒットもあり、おさかな人気はまだまだ続きそうです。ユニークな世界を是非堪能してください。