現代は女性も男性と同じように働く時代。女性が子育てを理由に家庭にこもりっぱなしということがなくなりました。
自分の仕事にプライドを持って、家でも外でもバリバリ働くキャリアウーマンはカッコいいです。性別は関係なく、もって生まれた個性や能力を社会に生かすことができたら、より一層世界が広くなるのではないでしょうか。
そんな生き生きと働く女性たちが登場する小説を紹介いたします。仕事を持つ女性は共感することが多いのではないでしょうか。
キネマトグラフィカ
古内 一絵(著) (東京創元社)
平成元年。シネコンではなく映画館だったころ。フィルムを使って上映していた時代に老舗映画会社に就職した同期6人。50代になった今、共に思い出の映画を観ながら当時を思い返す。キャラクターが全く異なる6人が思い出すそれぞれの過去。アナログからデジタルへ。男女雇用機会均等法の成立。
映画館と映画への愛。そして仕事を通じて達成してきたもの、理想と現実のギャップ。著者は映画会社で勤務していたことがあるそうで、その経験からか、働く女性のリアルな感情を見事に表現しています。新人からベテラン社員さんまでエールを送ってくれる本です。
食堂メッシタ
山口 恵以子(著) (角川春樹事務所)
イタリアのマンマの味を再現した予約のとれないお店、食堂メシッタ。ライターの笙子は母親を亡くして落ち込んでいるときに、店主の満希の料理に元気づけられてきた。
そんなある日、突然閉店を宣言した満希。笙子は今までの経緯をドキュメンタリーとしてまとめることにした。厳しい修業時代から閉店にいたるまで、イタリア料理への溢れんばかりの情熱がパワフルに描かれています。
女性一人で店を切り盛りする姿、おいしそうなイタリア料理。ワクワクするお話です。このお話のモデルは実在する鈴木美樹シェフという方だそうで、今なおおいしい料理を提供してくるそうです。
株式会社ネバーラ北関東支社
瀧羽 麻子(著) (幻冬舎文庫)
東京でバリバリ働いていたキャリアウーマンが、納豆嫌いなのに関わらず、地方下請けの納豆製造メーカーに転職するお話。一時間に一本しか通らないバス、うわさ好きの同僚。最初は戸惑いばかりでしたが、素朴でほんわかした生活に癒されていく日々。
大企業と地方下請け会社の格差など、シビアな現状にも一致団結して問題を解決していく姿にほのぼのさせられます。お仕事で疲れた時に読みたい一冊です。
日本はまだまだ女性管理職の数が世界的にも少ない国。パリでは女性管理職が増えたことにより、男性の残業も少なくなったとの例も聞きました。
これからより多くの女性たちが社会に羽ばたくことによって、男性も女性も暮らしやすい生活を送れるようになる日がくるかもしれません。