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【芸能人の妻 苦労 おすすめ 本】芸能人の奥さんは大変。あの著名人を支える女性たちの著作本。

誰もが知っている著名人も、独りでなにもかもをこなしてきたわけでは決してありません。彼等もまた人間であり、そこには生活があり、そばで支えたパートナーの存在があります。

そこで今回注目したいのは、自らの作品で高名を得、広くその名を知られている著名人の”パートナー”が自ら書いた著作本です。

 

安部公房とわたし

安部公房とわたし

一冊目は「安部公房とわたし」(山口果林著)。「壁」「砂の女」「箱男」などなど、数々の怪作とその圧倒的な世界観で今なお読者に支持され続けている小説家・安部公房。数多の文学賞受賞はもちろんのこと、晩年はノーベル文学賞の最有力候補としてメディアを騒がせていたことでも知られています。既に結婚し子供ももうけていることも知られていましたが、その創作活動の傍にいたのは実は妻ではなく、女優である著者・山口果林だったのです――。
安部公房の没後20年に出版されたこちらの本は、著名な作品を執筆している公房の裏話的エピソードや、初公開される彼の愛用品などなど、彼のファンにとっては垂涎ものの情報もまた詰め込まれています。なぜ、彼らの関係はここまで秘密裏にされていたのか?この本を読めば少しだけ理解に近付けるかもしれません。密やかな二人の愛の交歓に触れてみたい人には、ぜひともおすすめしたい一冊です。

 

荒木陽子全愛情集

 

荒木陽子全愛情集

二冊目は「荒木陽子全愛情集」(荒木陽子著)。写真家として世界的にその名を挙げ、現在も現役で作品を発表し続けている荒木経惟こと、アラーキー。その個性的な立ち振る舞いで、しばしば批評や議論を巻き起こし続けています。そんな彼がまだ若いうちに、病で喪った愛妻・陽子。実は彼女は生前、エッセイスト・小説家として活動していました。その作品の全てを一冊に網羅したのがこちらの本です。
鬼才の写真家の愛情を一身に受けた彼女は、一体どんな人物だったのか?その答えに近付くには、こちらの本を実際に読んでみるのが一番の近道でしょう。その審美眼、美学、潔い姿勢…思わず考えさせられる視点が沢山詰まっていますよ。エッセイの中にしばしば登場する、妻目線から描かれたアラーキーのチャーミングな姿もまた、一読の価値があります。

 

自分を賭けなきゃ。

自分を賭けなきゃ。

三冊目は「自分を賭けなきゃ。」(岡本敏子著)。「太陽の塔」「明日の神話」など、数々の有名芸術作品はもちろんのこと、『芸術は爆発だ!』などの自らの信念に基づく名言を残したことでも広く知られる芸術家・岡本太郎。50年もの歳月を彼と共に過ごし、彼の養女となる形で事実婚を貫いた女性――それが著者・岡本敏子です。
岡本太郎の秘書としてもその能力を惜しみなく注ぎ、太郎の死後は岡本太郎記念館の館長を勤め上げた彼女。その口から放たれる言葉にもまた、独特の感性と強烈な個性が宿っています。こちらの著作を読めば、強烈な芸術家に長く深く愛され続けた彼女の秘密が、ほんの少しだけ覗けてしまうかも。まさに“岡本太郎に全てを賭けた”著者の思想に、この機会に触れてみるのはいかがでしょうか?

 

以上が、私がおすすめする「あの著名人を支えていた女性たちの著作本」です。女性にはもちろん、男性にもおすすめしたい本ばかりです。自分の愛情に迷いや疑問が生じた時などにも、鮮烈で激しい愛情に満ちたこれらの本を、手に取ってみるのはいかがですか?

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