手軽に読める文庫本も電子書籍も便利ですが、ずっと傍においておきたい宝物のような紙の本も素敵だと思います。
読み捨てるのではなく、大切なものは丁寧に扱って、何代にも渡って読み継がれてほしいと思います。本との対談を楽しむのは大人の究極の楽しみ。そんな本好きのための美しい本を紹介いたします。
夜の木
バッジュ・シャーム(著) (タムラ堂)
ボローニャ・ブックフェアーでラガッツィ賞に輝いたハンドメイドによる美しい絵本。
古布を漉いた手漉き紙、シルクスクリーン印刷、インドの工房で一冊ずつ作られているシリアルナンバーつきの宝物にしたい一冊です。インドの少数民族ゴンド族の著者による木に関する神話や昔話のようなもの。木に宿る精霊。天に向かってくねる菩提樹。シルクの手触りやインクの匂い、五感をくすぐる美術書のような本です。
世界の美しい本
海野 弘(監修) （パイインターナショナル）
印刷技術ができる前から現代に至るまで、美しい本を集めた一冊。美しい本の歴史をたどる幸せを味わうことができます。ルドゥーテ、ミュシャ、オーブリー・ビアズリーのような芸術性あふれる挿絵やボタニカルアート、フォントに至るまで美しく、デザイン本として傍においておきたい一冊です。
世界一美しい本を作る男~シュタイデルとの旅 DVDブック
『考える人』編集部/テレビマンユニオン 編 (著)
ドイツ地方都市の小さな出版社シュタイデル。企画、編集、印刷までこなす42人の従業員たちを取材した世界最高峰といわれる本づくりのドキュメント。ドイツの職人魂、本への愛情を感じさせられるドキュメントです。ノーベル賞作家ギュンター・グラスをはじめ、多くの著名人の信頼を得ているシュタイデル。本が生まれる瞬間の息遣いを文章と映像で見ることができます。
一冊の本という一つの物質としてではなく、文章が紡ぎだす無限の世界に旅立たせてくれる大切な宝物。人生の中で傍に置いておきたい本と何冊出会えるか楽しみです。
