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【画家 本 おすすめ】海外の有名画家のインタビューが楽しめる。日本でも人気の絵画満載。

 宗教画から始まった絵画。字が読めない庶民のために物事を伝えるための表現方法として利用されてきました。

その後は貴族の肖像画などの現代でいう写真家の代わりや、自己表現の手段として描かれてきました。社会情勢によっては、反政府的なものとみなされ廃棄されたり、追放されることも。

今回は、美術が好きな方、芸術家の人生に興味がある方におすすめの本を紹介いたします。作品のバックグラウンドを知ることによって、また絵画を鑑賞するときの感慨が増えることでしょう。

 

クレー『大はしゃぎ』―芸術家としての実存と寓意(作品とコンテクスト)

 

クレー『大はしゃぎ』―芸術家としての実存と寓意 (作品とコンテクスト)

 ヴォルフガング ケルステン(著) (三元社)

 「この世からは、私は全く理解されない」と言い放ち、第二次世界大戦中、ヒトラーに頽廃芸術家としての烙印を押され、スイスに亡命したクレー。演劇やサーカスの人々を観察し、失われた人間性を追求していった。綱渡り師をモデルとした「大はしゃぎ」はシンプルな子どもが描いたような可愛らしい抽象絵画ですが、戦争中の緊張感、生と死、芸術の方向性を示した一冊です。危うい状況の中を一本の綱を体一つで歩いていく様子。暗い色調に対比してどこかユーモラスな表情。ドイツ芸術や抽象絵画に興味がある方におすすめの本です。

 

ゴッホの耳 ‐ 天才画家 最大の謎

ゴッホの耳 ‐ 天才画家 最大の謎 ‐

 バーナデット・マーフィー(著) (早川書房)

 自分の耳を切り落とし、制作に励んだ画家、ゴッホ。耳を贈られた女性ラシェルとは何者なのか。狂人といわれた巨匠の画家の生活や謎に満ちた生涯。最新の資料を元にアルルに100回以上訪問して調べ上げたノンフィクション小説。死後名をはせた作家だからこそ資料も少なく、謎に満ちたゴッホの生涯に迫る鬼気迫る一発です。ドラマチックで波乱に満ちた人生を知ると、ゴッホの描く鮮やかな色使いがより鮮明に輝くことでしょう。

 

死と生の遊び 縄文からクレーまで―美術の歴史を体感する

死と生の遊び 縄文からクレーまで―美術の歴史を体感する

 酒井 健(著) (魁星出版)
 縄文時代からドイツ表現主義クレーまでの美術・建築を例にあげ、芸術から学び取れる生と死について、生という遊びの要素について述べられています。生きるとは何か。縄文人、ダ・ヴィンチ、ゴヤ、ゴッホ、ガレ、ガウディが魅せた世界の多様性とは何か。時代を超えて芸術家と旅することができるエッセイ集です。

 

 絵画に詳しくなくても、心をからっぽにして絵と向き合えば時代を経ても伝わってくるメッセージがあります。また、時代背景を知ることによって、より画家のメッセージ性を強く感じることもあるでしょう。美術館に足を運んで、是非本物の芸術に触れてみてください。そこから画家という一人の人間が見えてくるかもしれません。

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