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【触れる 本】触覚の不思議、意味が分かる。おすすめ本まとめ。

 赤ちゃんがお母さんに抱っこされると泣き止んだり、好きな人に抱きしめられるとほっと安らいだり。「手当て」という言葉がある通り、手を当てることによって傷が癒えたような気がしたり。皮膚と皮膚が触れ合うことで、心と心が触れ合うような温かい気持ちになります。科学的にも解明されつつある触れることの意味合い。

 

驚きの皮膚

驚きの皮膚

 傳田 光洋(著) (講談社)

 資生堂の研究員である著者が皮膚の五感について語ってれます。皮膚はただ外界から守るものではなく、視覚・聴覚があり、記憶・予知する力があるとのこと。ヒトデや貝といった脳のない生物も皮膚感覚はあり、脳で補いきれない感覚を処置しているとのこと。驚きの皮膚科学を美術や哲学を通じて教示してくれます。

 

触れることの科学: なぜ感じるのか どう感じるのか

触れることの科学: なぜ感じるのか どう感じるのか

 デイヴィッド J. リンデン(著) (河出書房新社)
 「この人はあたたかい人だ、冷たそうな人だ」と判断するように、触感で人柄を表現することがあります。指で点字を読んで理解したり繊細な差異までも感じ取ることができます。アメリカの有名な神経科学者による認知や感情とつながる触覚の不思議、痛みや痒み、快楽についての考察です。

 

シュヴァンクマイエルの博物館―触覚芸術・オブジェ・コラージュ集

 

シュヴァンクマイエルの博物館―触覚芸術・オブジェ・コラージュ集

 ヤン シュヴァンクマイエル(著) (国書刊行会)

 コマ撮りを駆使した人形劇で有名なシュルレアリストのチェコの芸術家。魔術的な威厳の回復をテーマに、魔術や錬金術、触覚主義、オブジェやドローイングなどの多彩な図版が掲載された図録。手で触れること、物体に触れて体に動きを与えることにより人間の感情的な部分を引き出す芸術作品をご堪能ください。

 

 同じ触れ合いでも、嫌な人から触られるとセクハラと感じることも。個人的で本能的な感覚だからこそ、日常的に接触が少ない日本人に触感の大切さを味合わせてくれる本です。触れ合うことによる安らぎや信頼感、親しみやすさを感じることができます。

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