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【バブル 舞台 小説】バブル時代を感じるおすすめ本

 派手で自由。ふざけて、はじける大人の姿。お笑い芸人やバブルソングの再ブーム、バブルメイクが若い女性の間で流行しています。小説の中でもバブルのスピード感や刺激を求めている方へおすすめの本を紹介いたします。

 

晴れた日には鏡を忘れて

晴れた日には鏡をわすれて [改訂新版]

 五木 寛之(著) (角川文庫―五木寛之自選文庫 小説シリーズ)
 生まれつき醜く生まれた女性。骨格から整形手術をし、一年間の盲目生活を送り、教養を身に着けて別人に生まれ変わっていく。差別される側から差別する側へ。生まれながらに人間は不平等であり、どう乗り越えていくかという哲学的な内容でもあり、お金で買えない本物の美しさについて考えさせられる一冊です。

 

情事 

情事 (集英社文庫 143-A)

 森 瑶子(著) (集英社文庫 143-A)
 女性の賞味期限を感じ、情事に走る主婦が主人公。ブランド品やステイタスだけではなく、人間までもが消耗品として扱われていた時代の心の葛藤が描かれています。不倫が都会的で洗練された大人の遊びとされていた時代は今考えると滑稽でもあります。1978年第二回すばる文学賞受賞作品。

 

不発弾 

 

不発弾 (新潮文庫)

 相場 英雄(著)
 バブル時代に現実にあった不適切会計、バブル崩壊の過程などの社会問題を取り入れた経済小説。場立ち、財テク、権力が複雑に絡み合い飲み込まれていく人間たち。実在の企業や政治家をモデルにしているので、バブルを経験した方にはリアルに想像できるかもしれません。欲と裏表の薄暗い世界を堪能できます。

 

ジョン・レノン対火星人

ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)

 高橋 源一郎(著) (講談社文芸文庫)
 圧倒的スピードと脈絡のないエログロナンセンスが続き、60年代との決別が描かれています。不思議と文章の重さが軽快になっていく様はまるで疾走するバブル時代。文章の中身を感じるというよりは、単純にリズムを感じて楽しむという読み方もおすすめです。

 

 開放的でありながらも、つかの間のお祭りのような寂しさも抱き合わせた作品です。ロハスな傾向に飽きてきた、別の世界を垣間見たいという方も是非手にとってみてください。

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