北欧というとオシャレで自然豊かなイメージがありますが、文学好きの方は北欧の中でもフィンランドに興味があるのではないでしょうか。オーロラや森、湖があるおとぎ話のようなイメージ、サンタクロースやムーミンの生まれた土地でもあり、最近ではフィンランド作家のミステリーも人気があります。今回は、フィンランドの魅力をたっぷり味わえる本を紹介いたします。
フィンランド・森の精霊と旅をする - Tree People (トゥリー・ピープル) -
フィンランド・森の精霊と旅をする - Tree People (トゥリー・ピープル) -
リトヴァ・コヴァライネン (著)
フィンランドでもっとも美しい本賞を獲得した写真集。二人の女性写真家がフィンランド各地を15年に渡り旅し、森の精霊や木と人間とのつながりを詩や神話とともに紹介された幻想的な一冊です。
ページを開くとフィンランドの森の清涼な空気が漂ってくるようです。大地と共に生きてきたフィンランドの自然信仰。日本と通じるものがあり、心の底からほっとさせてくれます。
オンネリとアンネリのおうち
マリヤッタ・クレンニエミ (著) (世界傑作童話シリーズ)
ムーミン以外にも知ってほしいフィンランドの有名な児童書です。なかよしの女の子二人がある日自分たちだけのおうちを手に入れます。女の子の大好きなものがたくさんつまった二人だけのおうち。
ただ可愛い世界だけでは終わらず、少女の自立心についても書かれています。シリーズ本の「オンネリとアンネリのふゆ」も併せてどうぞ。映画化も予定されているそうです。
蜜蜂の館―群れの物語
レーナ クルーン(著) (新評論)
様々な人たちが集まる公民館は「蜂蜜の館」と呼ばれている。個性的な人の集まり、触れるか触れないかの距離でのあたたかな触れ合い。光が揺れ動くような淡く美しい文章はとても哲学的です。アメリカでワールドファンタジー賞候補作に選ばれ、数々の賞を受賞した現代フィンランドを代表する著者が贈る「存在」の物語です。
温かく、どこかリアリスティックで自然の壮大さを感じさせられるフィンランド文学。これからもっと翻訳や出版が進んでほしいと願っています。