練り上げられた設定、緻密な描写、のめり込める要素が盛りだくさんのファンタジー時代小説は、大人も子供も楽しめること請け合い!
全てを忘れて空想世界に入り込める、そんなファンタジー時代小説をご紹介します。
燦〈1〉風の刃
最初にご紹介したいのは『燦〈1〉風の刃』です。
作者は著書『バッテリー』で一躍名を馳せたあさのあつこさん。人ならざる能力を持った一族などの登場があり、しかしその設定に違和感なく入り込める展開が抜群に良かったです。
ファンタジーを舞台にしながら描かれた、主人公の二人の少年の関係性の妙も素晴らしかったです。続刊が沢山ありますが、すでに完結まで走り切った作品なので、長編作品は一気読みしたい!という方にもベスト◎
伏—贋作・里見八犬伝
続いては『伏—贋作・里見八犬伝』です。
アニメで映画化された名作です。かの有名な曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』を下敷きに、犬の血が混じる人間「伏」として悲劇的な出自を背負って生きる信乃と、懸賞金をかけられた「伏」を追う少女猟師・浜路との因果をテンポの良いエンターテインメントに落とし込む作者の手腕で、一気に最後まで読みました。相容れない二人の葛藤はもちろん、その他のキャラクターもしっかり立ち上がっていて、誰か一人は必ず自己投影が出来るような作品に仕上がっていると思います。
作品に巻き込まれるような感覚を味わいたい方にオススメの作品です。
僕僕先生
最後は『僕僕先生』です。可憐な美少女の姿をした不老長寿の仙人である「先生」に、ひょんなことから弟子入りした自堕落(ニート)生活を送っていた王弁とのほっこりゆったり、時々ぶっ飛んだスパルタ生活を垣間見る作品。
微笑ましい二人の禅問答のような掛け合いに、現代にいてもおかしくない性格を持つ主人公、作品としての親しみやすさは一級品です。コミカライズもされた名作、ファンタジーは初めて、という方の導入にもピッタリです◎
摩訶不思議な世界へのトビラ、この作品たちで、あなたも開いてみませんか?