女性なら、メイクがきまらないだけで何となく気分が上がらなかったり、別人になったような錯覚になったりすることは日常的にあると思います。
社会人として化粧をすることは「当たり前の身だしなみ」であり、日常的に「非現実な自分」を体現しているのです。今回は「化粧」を題材にした小説を紹介いたします。
化粧品検定や化粧品会社に勤める方にもモチベーションUPに読んで欲しいです。
「メイクアップ デイズ」
(講談社文庫) 椰月 美智子・作
化粧への興味もないのに化粧品会社でファンデーションの開発に携わっているコミュニケーションが苦手な箱理。自由奔放な姉と勝気な弟、白塗り化粧をしている祖母。個性的な登場人物に囲まれて過ごす日々。お仕事小説としても家族小説としても楽しめる一冊です。登場人物それぞれの化粧に対する気持ち、女性にとって化粧とは?切っても切れない化粧との付き合い方にもふと考えさせられます。
「yes yes yes」
(河出文庫) 比留間 久夫・作
男娼の少年が自己破壊のためにゲイバーの扉をたたく。「自分が他人とは違う」と思い込んで破壊的な行動に走るジュン。普通ってどういうことなのか、特別でありたいと思う気持ち。女装や化粧をして自分からの変身を試みる姿には、性別を超えてドキドキさせられます。生々しい表現はなく、BL小説でもない、人生にyesといいたくなる作品です。
「化粧」
井上 ひさし・作
ひとり芝居の代表作ともいえる井上ひさしの戯曲。日本全国数100回公演、アメリカやフランスでも上演された渡辺美佐子さんが、男勝りの大衆劇団の女座長役を演じていたロングラン作品。この作品における「化粧」は役者として「演じる」ということを表現している。さびれた芝居小屋の控室で化粧をしているときに、かつて自分が捨てた息子が目の前に現れるといった設定、開幕までの緊張感。女が化けるということ。洋子の十八番である母もの芝居「伊三郎別れ旅」と重なり合う虚構と現実の世界。こまつ座の最高傑作ともいえる作品です。
「日本化粧品検定 2級・3級対策テキスト」
最後は化粧品検定のおすすめの参考書も紹介。
他にもいろんな本がありますが、こちらが一番わかりやすく、身になる情報が詰まっていると思います。
化粧の知識を身に付けたい人はこちらで勉強してみては?
男性で「すっぴんの女性が好き」という人がいますが、多かれ少なかれ他人から少しでも良く見られたいという意識や、変身願望といったものはあるもの。素のものを隠すという行為は必ずしも悪いことではありません。男性にも是非読んでいただきたい作品です。