この世でいちばん大切なことを教えてくれる絵本
「将来の夢は金持ちになること」と答える子どもをテレビで見ると悲しい気持ちになってしまいます。
親がそういう人生が良いとアドバイスをして鵜呑みにしているのでしょうが、生きていく上で大切なことは、もっとたくさんあるはずです。
精神の豊かさがなければ、いくら経済的に豊かでも心が貧しい人間に育ってしまいます。
幼いころから人生の哲学を持っておくことはとても大切です。絵本を通じて自分にとって大切なものを見つけてくださいね。
わたしのとくべつな場所
パトリシア マキサック (著) (新日本出版社)
1950年代、黒人差別が行われていたころの著者の体験が描かれています。
アフリカ系アメリカ人の少女はある年齢になるまで集落の外への外出は認められていませんでした。ある年齢に達した少女は美しいドレスに身を包み外の世界へと希望を抱いて出かけますが、目的地に着くまでに経験するのはひどい差別の数々。
ときに涙しながらも優しい人に励まされ行き着いた場所は人種に関係なく誰でも出入りできる場所。そこは自由への入り口でした。
肌の色が違うからと差別されてきたのが現在では信じられないことですが、短民族国家の日本人には想像もつかないような痛ましい出来事があったことを知っておくべきです。恐ろしいことですが、形こそ違えど、差別の眼差しはどんな人の心にも根づいているものです。
夜の絵
村山 亜土 (著) (筑摩書房)
児童劇作家の著者の遺稿に染色家の柚木沙弥郎さんが布コラージュを添えた幻の名作が限定復刊しました。
貧乏なのに働きもせず、来る日も来る日もキャンバスに向かっている画家。その姿は周りからみると、ただの変人。
死ぬ間際まで追い続けたい夢はありますか?命をかけて人生で描きたいものは見つかりますか?
生きるということ、生みの苦しみや喜びを教えてくれる本。
シンプルなのに心に響き、布の質感や色彩が命の輝きや思考の推移を自由に想像させてくれる大人のための写真集絵本です。
おちびのネル―ファースト・レディになった女の子
バーバラ クーニー (著) (ほるぷ出版)
大統領夫人であり社会活動家として「アメリカの良心」と称えられているエレノア・ルーズベルトが主人公。
お金持ちの家に生まれたけど、醜く生まれたために両親から愛情をもらえなかった少女は、勇敢で知性あふれる女の子。
寄宿学校で素晴らしい先生と出会い、芯の強い清らかな女性へと育っていく姿を描いています。
バーバラ・クーニーの淡い色彩のイラストが美しい、自身を持つことの大切さを教えてくれる絵本です。
本を読むことはいろんな世界を知るきっかけになります。子どものうちに人生には選択肢がたくさんあるということを教えてあげてください。