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絵本で哲学、おすすめ本3選

哲学することができる絵本

生きていくうえで大切なのは頭の良さや運動能力、お金ではありません。人生の壁にぶつかって悩んでしまうときは、たいてい答えのない問題ばかり。答えに正解はなく、自分なりに考えて結論を出さなければなりません。
 今回は幼いうちから考えること、哲学することができる絵本を紹介いたします。「みんなが~だから」「あの子と比べて私は…」という言葉を口にしたときに読んであげてくださいね。

 

うそ

うそ (はじめてのテツガク絵本)

 中川 ひろたか (著) (金の星社)
 「うそをつくといけない」というけど、うそをついていない人なんているの?という子どもたちの立場にたったストレートな考えから展開していくうそについて考える絵本。
 本当でないことを人を騙すために言うことがうそ。だけど、本当のことを言うのが全部正しいのでしょうか。おいしくないと思ったことを「おいしい」と言ったり、作り物の童話やお芝居も「うそ」には違いありません。
 ついていいうそ、悪いうそ。いろんなうそについて考えさせらえれる哲学絵本です。
ミロコマチコさんのダイナミックでインパクトが強いイラストが考える力を高めてくれます。

 

マッチ売りの少女

マッチうりの少女 (世界名作ファンタジー23)

ハンス・クリスチャン アンデルセン (著) (ほるぷ出版)
 誰もが知っているアンデルセン童話の絵本ですが、不幸な少女を描いた物悲しい作品という印象ですが、こちらはプラハの色彩の魔術師ヴィエタ・パツォウスカーによるイラストで激しく心を揺さぶられてしまう斬新的な絵本です。
 少女の目線で描かれた町の景色、流れ星、銀色の風、マッチの炎。どれもが生命の情熱を持ち合わせ、激しくぶつかりあいます。
 有名な最期の旅立ちのシーンは、温かで幸福に描かれており、同じ話とは思えないほど。
 イラストレーターによって、同じ作品でもこんなに味方が変わるのかと驚かされます。
 現代アートが好きな方、複合的な目線で物事をとらえたい大人にもおすすめです。

 

たいようもつきも―フランチェスコのうた

たいようもつきも―フランチェスコのうた (リトルベル)

 キャサリン パターソン (著) (日本キリスト教団出版局)
 聖フランチェスコの「被造物の賛歌」「太陽の賛歌」を子ども向けにやさしい言葉に書き直した絵本。2011年度ニューヨークタイムズベスト児童絵本賞受賞作品です。 
 キリスト教を題材としていますが、宗教的な内容ではなくどんな人の心にも届くような清らかで敬虔な気持ちになれる感謝と祈りの絵本です。

 細やかで繊細な切り絵がとても美しく、淡い色彩が牧歌的な魅力を醸し出しています。自然とともに生きること、生かされていることについて考えさせられる絵本です。

 絵本なので問題にとっつきやすく、考えることが嫌になることがありません。幼いうちから自分の考えをしっかり持つことの大切さを教えてあげてくださいね。

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