ピアノの音色は輝かしく繊細。透き通る光のような音もあれば、嵐の夜に窓ガラスをたたきつけるような情熱的な音も。ひとつの曲を自分なりに解釈して音をつくっていく作業は奥が深く、演奏家によって同じ曲でも違って聞こえることも。
今回はピアノの絵本を紹介いたします。ピアノを習っているお子さま、ピアノを愛する大人に読んでほしいオシャレな本です。
ピアノ調律師
M.B. ゴフスタイン(著) (現代企画室)
元気いっぱいでがんばりやさんの女の子、デビー・ワインストックはピアノ調律師のおじいさんと一緒に暮らしています。ピアニストにさせようとするおじいさんですが、デビーはピアノ調律師になりたいと願っています。
ある日、町に有名なピアニストがやってきて、おじいさんにピアノの調律を頼みます。ところが近所のご婦人にも調律を頼まれていて・・・。
好奇心いっぱいで夢を叶えるためにあれこれ奔走する姿が愛おしい絵本。デビーに寄り添う大人の姿にも心が和む本です。すべての夢見る少女たちへおすすめの絵本。
クマと森のピアノ
デイビッド リッチフィールド (著) (ポプラ社)
森のなかに置き去りにされたピアノ。その「へんてこなもの」を見つけたクマが鍵盤に触れるとポロンと素敵な音色がこぼれます。森のピアニストとして仲間の動物たちに音楽を届けていたクマ。ある日、人間の女の子と出会い、町でコンサートをするように誘われます。大好きな親友と別れることを決意し、町へ出たクマは・・・。
おとぎ話と町のにぎやかさが入り混じったほんとうに大切なものを教えてくれる絵本です。
メロディ~だいすきなわたしのピアノ~
くすのき しげのり (著) (ヤマハミュージックメディア)
おうちに弾かれなくなったピアノはありませんか?こちらの絵本はピアノ目線で綴られるおはなしです。代々大切に引き継がれてきたピアノ。いつか誰かにひいてもらうことを夢見ています。そこに現れたのは小さな女の子。ピアノにメロディと名付けます。初めてピアノをひいたあの日を思い出させてくれる感動で涙が止まらなくなる絵本です。
音楽は人の心を癒してくれる大切な存在。普段POPSしか聞かないという人も、この絵本をきっかけにピアノの澄んだ音色を聞いてみてください。心にそよ風が吹いたような清らかな気持ちになれますよ。