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【蜂飼耳 本 おすすめ】読みやすい作風と独特の切り口が素晴らしい蜂飼耳さんの書籍

 小説家、詩人、エッセイストのはちかいみみさん。NHKの「視点・論点」に出演されていたこともあり、絵本の翻訳も手掛けています。人気女性作家の川上未映子さんも蜂飼耳さんの詩に出会い、影響を受けたそう。最近では古典の現代語訳もされており、読みやすい作風と独特の切り口のでのことばの選び方が心にすとんと響きます。
 今回は、厳選されたことばを読みたい、原点的なものへの回帰と幻想的な発想が好きな方におすすめしたい蜂飼耳さんの本を紹介いたします。

 

方丈記

方丈記 (光文社古典新訳文庫)

 鴨 長明 (著) (光文社)
 「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。」という序文と「方丈記」という題名は知っている、学校でちょっと習ったことがあるけど一冊読んだことがないという方が多いのではないでしょうか。
 鴨長明自身が体験した自然災害をテーマに無常観を表現した作品で、世の中の移ろいやすさに対する葛藤や寂しさが読み取れます。
 本編は意外と短く、40ページ足らずで終わりますが、原典、付録、蜂飼耳さんの解説、当時の京の地図など144ページの付録がついています。こちらの一冊で「方丈記」が初心者にもよく理解できます。
 

虫めづる姫君 堤中納言物語

 

虫めづる姫君 堤中納言物語 (古典新訳文庫)

 作者未詳 (著) (光文社)
 こちらも蜂飼耳さんによる古典の現代語訳版。難しそうだと二の足を踏んでしまいそうな古典作品ですが、蜂飼耳さんの手にかかると柔らかな文章がすんなりと頭に入ってきます。
 年頃の娘なのに夢中になるのは虫ばかりという表題作をはじめ、10編の短編と1つの断片から構成された平安時代後期から鎌倉時代に書かれた貴族によるアンソロジー。章ごとに「~を読むために」というコーナーがあり、解説と蜂飼耳さんの感想が書かれています。古典というとどう解釈して良いのか分からないという方には取り掛かりやすく、口語調なのですらすらと読むことができます。

 

うきわねこ

うきわねこ

 蜂飼 耳 (著) (ブロンズ新社)
 誕生日プレゼントにおじいちゃんからもらったのは、なんと空飛ぶ浮き輪!満月の夜に浮き輪を膨らませ、空を飛んで旅をする夢の様なエピソードの数々。柔らかさなパステル調の牧野千穂さんの幻想的なイラストがさらに雰囲気を上質なものへと昇華してくれている人気絵本。ねこ好きにもおすすめのカワイイがいっぱいつまった一冊です。

 

食うものは食われる夜

食うものは食われる夜

 蜂飼 耳 (著) (思潮社)
 蜂飼耳さんの詩作を読んでみたい方はこちらがおすすめです。神秘的な世界観が堪能できる一冊。神話や食物連鎖の世界をイメージして作られた作品。命と命の境界が曖昧になる野生の生々しい命のつながり。その響きは美しくもあり、ときに残酷です。命に真摯に向き合った第56回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞作品です。

 

 女性らしい柔らかさ、そして柔らかくも真実をうつしだすことばたち。揺れる水面のようなきらめきを感じさせられる作家さんです。お好みのジャンルの本から手にとってみてくださいね。
 

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